ニュース
IIJ、多店舗・多拠点企業のネットワークに関する調査結果を公表
53%が事業に影響する課題を抱え、3年後のゼロトラスト採用意向は61%
2025年2月17日 09:00
株式会社インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)は14日、「多店舗/多拠点企業におけるネットワーク実態」に関する調査結果を公表した。同調査は、調査会社のアイ・ティ・アールに依頼し、10拠点以上の店舗・拠点を保有する企業216社から回答を得た。調査期間は2024年11月15日~18日。
調査では、53%が事業に影響するネットワーク課題を抱えており、68%がネットワークの再構築を計画中であること、また、現在は境界型セキュリティと呼ばれるネットワークセキュリティ方針を採用している企業が過半を占めるものの、将来(3年後)のゼロトラストネットワークの採用意向が61%といった結果となった。
ビジネスに影響を及ぼすネットワーク課題で、最も多かった回答は「SaaSへのアクセスなど店舗/拠点でのネットワーク利用に不便なことや制限が多い」(53%)だった。続いて、「通信遅延やトラブルにより拠点業務や店舗運営に影響が発生することがある」(48%)、「店舗/拠点拡大に柔軟に対応できない」(41%)、「急な拠点展開スケジュール(新規店舗など)に対応できない」(39%)などが挙がり、店舗営業、拠点業務におけるネットワーク利用の課題が浮き彫りになったとしている。
ネットワーク課題のビジネスへの影響度合いに関する設問では、51%が「ビジネス上の大きな問題になっている」と回答。ITインフラがビジネスの基盤となり、ネットワークの重要性が増すなか、企業経営の観点においても、多店舗/多拠点におけるネットワークの課題解決は急務と言えるとしている。
ネットワークの見直しに関する設問では、28%が「大きな問題があるため、全面的に再構築する予定」、40%が「問題があるため、ネットワークの一部を変更する予定」と回答しており、68%がネットワークの再構築を計画中となった。
クラウドの現在の利用状況と、将来(3年後)の利用予定に関する設問では、将来「フルクラウド(クラウド上ですべてのシステムを運用する)」と回答した企業が44%を占め、クラウドの採用意向が広がっている。一方で、オンプレミスとクラウドを併用する企業は、「クラウド・ファースト(クラウドを優先するが、オンプレミスを併用する)」(31%)と「オンプレミス・ファースト (オンプレミスを優先するが、クラウドを併用する)」(19%)を合わせると50%に上り、多店舗/多拠点企業において、引き続きオンプレミスのニーズが残り、ネットワーク設計にも影響を与えることが予測されるとしている。
ネットワーク・セキュリティの基本方針は、現在は「境界セキュリティ」(74%)が多いが、将来(3年後)は「ゼロトラストネットワーク」(61%)が多くなった。今後、ゼロトラストネットワークへの転換を進めていく上で、オンプレミス、クラウドの併用環境が多く残る多店舗/多拠点企業においては、その環境を前提にしたネットワーク・セキュリティ対応が求められるとしている。