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LayerX、AIで入金消込・仕訳・督促などの業務負担を軽減するサービス「バクラク債権管理」
2025年2月7日 11:00
株式会社LayerXは6日、法人支出管理・勤怠管理などの業務効率化クラウドサービス「バクラク」シリーズの新プロダクトとして、債権管理業務を支援する「バクラク債権管理」を3月に提供開始することを発表した。同日には、バックオフィスに特化したAI機能「バクラクAI」が目指す世界観および新プロダクト「バクラク債権管理」の概要について説明会を開催した。
「バクラク」シリーズは、稟議(りんぎ)、経費精算、法人カード、請求書受取、請求書発行、勤怠管理などの業務を効率化するクラウドサービス。最先端のAIを組み込むことで、手入力や紙の管理などの業務から解放し、従業員一人ひとりがコア業務に集中できる新しい働き方を創造する。AIネイティブな設計で生み出されたフロントERPシステムとなっており、管理部門と現場をつなぐシステム群を多数ラインアップ。中小企業から上場企業まで、幅広い業種の顧客に利用されており、シリーズ累計導入社数は1万社を突破している。
「バクラク」シリーズの大きな特徴となるのが、バックオフィスに特化したAI機能「バクラクAI」を組み込んでいる点だ。LayerX バクラク事業部 部門執行役員(プロダクト担当)の飯沼広基氏は、「『バクラク』シリーズは、AIによってバックオフィス領域の業務そのものをなくし、生産性を改善することをコンセプトにしている。これに向けてバックオフィスに特化したAI機能『バクラクAI』を連続的に開発してきた。2021年のリリース当初は、請求書や見積書などの書類を読み取って自動入力するAI-OCRが中心だったが、さまざまなAI技術の発達にともない、最近ではAI-OCR以外のAI機能の開発にも取り組んでいる」と説明した。
AI-OCR以外のAI機能として、昨年は、経費科目推薦や店舗名推薦、受領PDF分割推薦、発行PDF分割推薦などの機能をリリース。現在は、AI仕訳推薦、AI入金消込、AI稟議レビューといった機能の開発を進めているという。「『バクラクAI』によって、例えば、請求書をAIが自動分割して取り込む、領収書のデータをAIが入力、AIが過去に学習した仕訳を入力、領収書とカード明細をAIがひも付け、AIが書類種別を判定してラベル付けなど、バックオフィス業務の自動化が可能になる。当社は、今後も『バクラクAI』を通じて、バックオフィス領域におけるアナログな業務の手間をなくし、顧客企業が日常業務の中で自然にAIを活用できるような体験を提供していく」と、「バクラクAI」が目指す世界について述べた。
そして今回、「バクラク」シリーズの新プロダクトとして「バクラク債権管理」を3月に提供開始することを発表した。LayerX バクラク事業部 プロダクトマネージャー/公認会計士の簗隼人氏は、「バクラク債権管理」をリリースする狙いについて、「『バクラク』シリーズではこれまで、経費精算、法人カード、請求書受取などの支出管理(BSM)をなめらかに1本化する製品群を提供してきた。また、昨年11月には『バクラク勤怠』をリリースし、勤怠管理領域(HRM)に進出した。これに加えて、今回新たに『バクラク債権管理』をリリースすることで、請求書発行後の入金消込・仕訳・督促などの債権管理領域にも進出する」としている。
同社が実施した調査によると、月100件以上の請求書を発行する企業では、経理担当者が特に負担を感じる経理業務の第2位に「債権管理」業務が挙がっていた。また、経理担当者の約8割が、債権管理業務に対して「心理的なストレスを感じる(強く感じる+やや感じる)」と回答していた。さらに、経理担当者が最も負担に感じている債権管理業務は「取引先への督促」であることが明らかになった。「この調査から、債権管理は、ミスが許されない業務であることに加え、社内外への督促対応が発生するため、単なる業務負担だけでなく、精神的な負担も非常に大きいことがわかった。そこで、こうした課題を解決するために、当社の強みである『ソフトウェア×AI』の技術力を生かし債権管理業務を支援する『バクラク債権管理』の開発を決定した」という。
「バクラク債権管理」では、入金と請求の自動照合、AIによる消込提案、仕訳データの自動生成などの機能によって、債権管理にかかる工数を大幅に削減することができる。主な機能として、AIを活用した消込機能により、ルールベースで入金と請求を自動照合。合算入金や表記揺れなどのイレギュラーにも対応する。ルールが設定されていない初回取引においても、AIが入金に対応する請求を提案する。
取引先が開封していない「請求書」への自動リマインドメールや、未入金債権への督促メールに対応。登録したフローにより、督促に関する社内外のコミュニケーションを半自動化することができる。また、ルールベースで仕訳の作成が可能。入金消込仕訳は売上仕訳を取り崩すため、これによって仕訳のミスを防止する。さらに、取引先別の債権年齢表により引当金計上等の決算作業もスムーズに行うことが可能となる。
これらの機能に加え、「バクラク請求書発行」と併用することで、請求書発行から督促までのプロセスを一気通貫で効率化でき、経理担当者はもちろん、現場社員の心理的負担も軽減することができる。
なお、同社では、「バクラク債権管理」のリリースを記念し、契約時の月額利用料が6カ月分無料となるキャンペーンを実施する。