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キヤノンITS、「EDI-Master Cloud for AnserDATAPORT接続サービス」で外国送金業務対応オプションを提供

 キヤノンITソリューションズ株式会社(以下、キヤノンITS)は24日、「EDI-Master Cloud for AnserDATAPORT接続サービス」の新機能として、外国送金業務(ISO 20022)に対応する「外国送金通信オプション」と「外国送金変換オプション」を、2025年4月に提供開始すると発表した。

 日本国内の企業から海外企業への送金には、国内銀行を通じてSWIFT(国際銀行間金融通信協会)が提供する銀行間のグローバルネットワークを経由し、海外銀行と送金電文を授受している。この仕組みを提供するSWIFTは、国際的なアンチマネーローンダリングの規制強化や送金処理の迅速化などの課題に対応するため、2025年11月までに、外国送金で使用する電文を、国際標準規格ISO 20022に準拠した新たなフォーマットに移行することを発表した。

 これに伴い、ファームバンキングを利用した外国送金業務を行う企業は、2025年11月までに、新たな伝送手順およびファイルフォーマットへの変更に迫られている。こうした状況を踏まえ、キヤノンITSは、株式会社NTTデータが提供する企業と国内金融機関との間をつなぐファームバンキングサービス「AnserDATAPORT」と連携するEDI-Master Cloud for AnserDATAPORT接続サービス」のオプションとして、新たな外国送金業務(ISO 20022)に対応する「外国送金通信オプション」と「外国送金変換オプション」を提供する。これにより、外国送金に必要なEDI機能/回線をすべてクラウド上に備え、ISO 20022対応にかかるリードタイムと移行負荷を削減する。

外国送金通信オプションおよび外国送金変換オプションの利用イメージ

 オプションでは、ISO 20022準拠のAnserDATAPORTとの接続に必要な、「JX手順通信」「依頼/照合/取り消しデータの作成(BAH付加/削除)」「結果データの取得」機能を利用できる。また、ISO 20022フォーマット(XML)への変換機能を提供し、基幹システム側の改修コストを低減する。

 AnserDATAPORTとの接続に必要なConnecure回線は、EDI-Master Cloudで敷設済みの回線を使用するため、顧客側で回線を用意する必要はない。Connecure回線の運用はキヤノンITSが行うため、AnserDATAPORTの利用における顧客の運用負荷も軽減できる。

 国内ファームバンキングで利用されている全銀TCP/IP手順にも対応しており、内国為替ファイルの伝送と外国送金依頼ファイルの伝送をEDI-Master Cloudで実現できる。

 EDI-Master Cloud for AnserDATAPORT接続サービスの価格は月額10万円。外国送金通信オプション、外国送金変換オプションの価格は別途見積もり。

 また、キヤノンITSでは、オンプレミス版「EDI-Master」の新サービスとして、外国送金業務に求められるフォーマット変換を実現する「外国送金変換ソリューション」を24日に提供開始した。

 外国送金変換ソリューションは、ISO 20022に準拠した外国送金専用の変換マップと、汎用的なXML変換製品である「EDI-Master XMLトランスレータ」を組み合わせることで、新たな外国送金業務で利用されるXMLフォーマットとCSVフォーマットの相互変換が可能となる。

 ファームバンキングおよびファイルアップロード型のインターネットバンキングを利用する顧客の双方で利用可能で、数百項目にも及ぶXMLフォーマットを基幹システムで用意する手間を解消する。

 外国送金変換ソリューションの価格は個別見積もり。