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ベルシステム24、通話データからナレッジベースを自動生成するコンタクトセンター自動化ソリューション「Hybrid Operation Loop」を開発

 株式会社ベルシステム24は28日、同社の事業共創プログラム「生成AI Co-Creation Lab.」で新たに、生成AIを活用してコンタクトセンターの自動化を実現する「Hybrid Operation Loop」の提供に向けた開発を開始すると発表した。

 この開発は、生成AI Co-Creation Lab.に参画する日本マイクロソフト株式会社をはじめとするテクノロジー企業が有する最新技術と、ベルシステム24が有する多様なコンタクトセンターのノウハウを組み合わせ、 AIとヒトが共同でタスクを遂行する "Human-in-the-Loop(人間参加型の機械学習)" の概念を通じた、ベルシステム24独自のAIとヒトのハイブリッドによる業務ループプロセスを設計することで、さまざまな業界の個別の環境に対応が可能なコンタクトセンターの自動化を実現するための取り組みとなる。

「Hybrid Operation Loop」の自動化フロー概念図

 開発するHybrid Operation Loopは、生成AIとヒトによるコンタクトセンターでの業務ループ構造を設計し、回答の自動生成に特化した生成AIと、ナレッジの自動生成に特化した生成AIをプロセスに組み込むことで、応対の通話データからナレッジベースを自動生成する技術・仕組みを搭載する、ベルシステム24独自開発の自動化ソリューション。通話データからナレッジベースを自動生成する仕組みの開発は、国内初の取り組みとなるという。

 従来のRAGでのキーワード検索に加え、関連性を考慮したセマンティック検索を組み合わせたHybrid RAGによる検索性能の向上により、従来のRAGでの類似性の情報検索に加えて、関連性を考慮した上で回答を生成することが可能となり、回答精度を飛躍的に向上させる。よりAIの学習時や判断・認識の際にヒトを介した確認・フィードバックを行い、AIとヒトとの相互連携である "Human-in-the-Loop"の概念により、生成AIによる自動化とヒューマンチェックを組み合わせることで、ハルシネーションを最少化したオートループを実現する。

 日本マイクロソフトは、生成AI Co-Creation Lab.におけるベルシステム24との協業を通じて、コンタクトセンターの自動化と顧客体験の向上を支援する。Microsoftの責任あるAI技術を活用することで、Hybrid Operation Loopの開発を支援し、重要な機能である生成AIボットの精度向上を目指し、ヒトらしさを追求した回答を提供するとしている。

 また、日々の通話データからナレッジベースを自動生成するプロセスを構築し、高精度な問い合わせ対応を実現することで、コンタクトセンターの効率化とCXの向上の検証を支援する。

 ベルシステム24では今後、Hybrid Operation Loopの開発・提供により、自社でコンタクトセンターを運営する企業を主なターゲットとして導入などを進め、5年後に、導入時のサポートなど関連するBPO業務も含めた500億円のビジネスの創出を目指す。ベルシステム24は、生成AI Co-Creation Lab.を通じて、40年培ってきた幅広い業界でのコンタクトセンター運営の知見をベースに、効率化のみならず企業のCX向上を実現する最適な自動化の支援を行っていくとしている。