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ディアイスクエア、IBM watsonx.aiを活用したコールセンターオペレーターの支援サービスを提供
2024年11月20日 06:00
株式会社ディアイスクエアは19日、日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)が提供するIBM watsonx.aiなどのAI技術を活用し、コールセンターオペレーターを支援するAIサービス「EasyAnswer JINN/RAG-Opt」を開発したと発表した。コールセンター業務、ヘルプデスク業務を運営する事業者を対象としたサービスとして、ディアイスクエアが提供する。
コールセンター業務を運営する事業者では、昨今の就労者への賃上げ喚起や労働人口減少に伴う人材不足から、オペレーターの採用・育成・定着が難しくなっていると説明。その結果、コールセンターオペレーターが適切な回答を入手するまでに時間を要してしまう、人の判断による回答のばらつきが生じてしまうなど、高品質で標準化された応対の維持などに大きな課題を抱える企業が多く、オペレーターの生産性向上に向けた業務プロセスの効率化や、ノウハウの属人化の解消が求められていたという。
こうした中、ディアイスクエアでは企業のコールセンター業務を支援する「EasyAnswer Series」を開発・提供し、コールセンター業務のさまざまな課題解決に向けて支援してきた。そして今回、コールセンター業務のさらなる生産性向上に向け、EasyAnswer Seriesのオプショナル機能として、コールセンターを運営する事業会社にある顧客情報や問い合わせ履歴、マニュアル、各種規定、商品データなどの自社データと、IBMが提供する最新のAI技術を連携させることで、過去の対応履歴を有効活用して効率的に検索し、適切な回答を瞬時に提示できるEasyAnswer JINN/RAG-Optを開発した。
EasyAnswer JINN/RAG-Optには、IBMのAI技術であるIBM watsonx AssistantやWatson Discovery、watsonx.ai、大規模基盤モデルのGranite日本語版が組み込まれており、オペレーターが入力した質問に対し、自社データに基づいて検索結果を抽出し、オペレーターに適切な回答候補を提示する。
また、サービスの使用頻度が上がり、新しい知見や正しいナレッジを蓄積し、アップデートすることで、AIによる回答の品質向上や標準化が見込める。これらにより、オペレーター1件あたりの応対時間短縮など業務プロセス効率化につながるほか、オペレーターの勤務時間あたりの応対件数増加による生産性向上や、ノウハウの属人化を解消することが期待できるとしている。
ディアイスクエアでは、サービス開発の過程において複数の大規模言語モデルの比較、検証を行った。その結果、ディアイスクエアはIBMが提供するGranite日本語版が、日本語での回答精度においてビジネスの実務レベルで活用できると評価した。
ディアイスクエアは、株式会社イグアスの販売促進の支援を受け、コールセンター業務を運営する事業者に提案していく。また、顧客の個別ニーズに柔軟に合わせて、EasyAnswer JINN/RAG-Optを含むEasyAnswer Seriesをカスタマイズ化するなど、伴走型の支援を提供。今後も技術の進化と顧客ニーズの変化に合わせ、さらなるサービスの機能拡張を各社と共に共創していくとしている。
日本IBMは、企業向けAIとデータのプラットフォームであるIBM watsonxをはじめとするAI技術の提供を通じて、サービスの市場優位性の獲得に向け支援すると説明。また、今後もパートナーとの共創を通じて、顧客のビジネスへのAI適用やデジタル変革を推進していくとしている。