ニュース

NTTデータ、AIエージェントを活用した新たな生成AIサービス提供を発表

第一弾として営業領域の各種業務を支援する「LITRON Sales」を11月提供開始

 株式会社NTTデータは24日、オフィスワーカーの生産性向上、付加価値業務へのシフトの実現に向けた生成AI活用コンセプト「SmartAgent」に基づく、新たな生成AIサービスを提供開始すると発表した。

 SmartAgentは、利用者の指示に応じて、AIエージェントが自律的に対象業務のタスクを抽出・整理・実行し、新たな労働力を提供する生成AI活用のコンセプト。これにより、人口減少による労働力不足など社会課題の解決に貢献する。

生成AIが実現する未来像

 SmartAgentのサービス第一弾としては、営業領域における各種業務を自律的に支援・代行するサービス「LITRON Sales」を11月に提供開始する。

 LITRON Salesは、パーソナルエージェントが、特化エージェントにタスクを割り振ることで、データ入力、アポイントメント準備、提案書作成、契約書・社内文書作成などのタスクを支援・代行する。サービスを活用することで、営業担当者の負担となっている事務処理、資料作成、日程調整などの業務負荷を低減し、顧客への提案活動など付加価値業務に充てられる時間を創出する。また、社内外の多様なインプット活用を通じた仮説構築力や、提案力の向上を実現する。

 LITRON Salesは段階的な機能提供を予定しており、第一弾として、データ入力・活用機能の提供を開始する。同機能は、議事録情報(テキスト・音声)から、営業プロセスで必要なBANTCなどの重要情報を生成AIで抽出し、営業支援システムに登録されている商談情報を自動で更新する。情報に不足がある場合には、次回入手すべき情報としてレコメンドする。サービスを活用することで、営業担当者の営業支援システムへの情報登録業務の負担を軽減することが可能となるとともに、営業支援システムへのデータ投入が進むことで、生成AI活用に必要なデータの整備を早期に準備することが可能となる。

 機能の第二弾としては、顧客経営課題分析から提案書作成までを実行する、アポ・提案準備機能の提供を2025年3月末までに予定する。提案先企業名と合わせて提案書の作成をパーソナルエージェントに指示すると、外部情報(IR情報、ニュースなど)や営業活動で得られた情報・議事録を検索し、顧客課題を抽出する。その顧客課題に対し、自社の提供可能なサービスなどの情報も自律的に検索しながら、提案資料を作成する。

 さらに、NTTデータグループではSmartAgentの実現に向け、複数のタスクからなる業務の処理を自律的に分割、整理する「Task Planning」、複数のAIエージェントを組み合わせて情報連携を実現する「Multi Agent」、データの高度な解釈による検索を実現する「Advanced RAG」、業務ドキュメントから検証用データを生成し、各種手法の組み合わせを最適化・評価する「Agent Ops」、ユーザーのフィードバックをもとにエージェントのワークフローや出力を自律的に改善する「UITL(User-In-The-Loop)」といった技術を開発しており、今後も、先進的な技術要素の開発を進めていくとしている。

 NTTデータは、生成AIのコンサルティングから導入、運用までを一貫して支援し、アプリケーションからインフラまでフルスタックで顧客に提供する。これらの取り組みを通じて、2027年までに生成AI関連事業で累計1000億円の売り上げを目指す。