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日立、鉄道インフラの運用と保守を最適化するAIソリューション「HMAX」を発表

 株式会社日立製作所(以下、日立)の鉄道システム事業を担う日立レールは24日、NVIDIA AIテクノロジーを搭載し、鉄道事業者による鉄道の運用と保守を変革するソリューション「HMAX(Hyper Mobility Asset Expert)」を発表した。

 HMAXソリューション群は、列車、信号、インフラ管理を最適化するための一連のAI強化デジタルソリューションを鉄道事業者に提供する、オールインワンのデジタルアセットマネジメントプラットフォーム。

 日立のデジタルツールは、すでにデジタルセンサーを使用してアセットの状態をリモートで監視し、パフォーマンスを向上させていると説明。HMAXプラットフォームは、ライブデータ収集と強力なAIテクノロジーを組み合わせることで、分析の速度、容易さ、深さを飛躍的に向上させ、HMAXが提供する強力なデータ分析結果を使用して、鉄道事業者はより正確にサービスを予測、最適化、変換できるようになるとしている。

 日立レールは、NVIDIAの産業用AIプラットフォームとソフトウェアツール、日立デジタルのAI Centre of Excellence(CoE)とソフトウェアエンジニアリングの専門知識を活用し、鉄道事業者に対してより高度で革新的なソリューションを提供する。HMAXデジタルプラットフォームの「エッジツークラウド」アーキテクチャにより、日立レールの顧客は、オペレーションセンターだけでなく、単一のポータルを通してこれらのサービスにリモートでアクセスできるようになる。これらのソリューションは、AIの力をオペレーショナルテクノロジー(OT)の世界に導入し、現場作業者、エンジニア、鉄道事業者にAIの強力なメリットをもたらすという日立のビジョンを体現するものだとしている。

 NVIDIAとのコラボレーションにより、産業グレードのNVIDIA IGXプラットフォームとセンサー処理プラットフォームのNVIDIA Holoscanを統合し、大量のデータを列車やインフラ上の「エッジ」でリアルタイムに処理し、必要な情報のみをオペレーションセンターに送信することが可能となる。これは、有益なデータ分析結果が鉄道事業者に届くまでの処理速度を飛躍的に向上させるもので、以前は、メンテナンス拠点でデータが処理されるまでに最大10日間かかることもあったという。

 NVIDIAIGX は、エンタープライズレベルのハードウェア、ソフトウェア、サポートを組み合わせたエッジAIプラットフォーム。産業環境および医療環境向けに特化して開発されており、強力なAIコンピューティング、高帯域幅のセンサー処理、エンタープライズセキュリティ、機能の安全性を提供する。

 日立デジタルのAI CoEは、日立と顧客のハブとして、共通のAIインフラストラクチャ、ガバナンス、技術的および運用上の専門知識を提供している。CoEの知識とリソースは、NVIDIAとの提携により強化されている。

 日立 執行役専務 鉄道ビジネスユニットCEO/日立レール ダイレクターのGiuseppe Marino氏は、「日立レールでは、AIは鉄道の効率的な運行を実現するために、即効性のある非常にインパクトのあるアプリケーションであると考えています。当社のAIを活用したデジタルアセットマネジメントは、お客さまの鉄道サービスを最適化し、鉄道のパフォーマンスを向上させるソリューションです。NVIDIA とのコラボレーションは、AIの力と日立レールの先進的な技術を組み合わせて、鉄道事業者のパフォーマンスの向上を支援します」とコメントしている。