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SAPジャパン、サプライチェーンおよび外部人材管理の機能強化を発表 生成AI機能「Joule」を活用

 SAPジャパン株式会社は9日、企業の業務効率の向上を支援し、組織の可視性とデータ精度を高めるための、サプライチェーンおよび外部人材管理の機能強化を発表した。

 自社の自然言語生成AIコパイロット「Joule(ジュール)」を、調達・購買管理ソリューション「SAP Ariba」および「SAP Fieldglass」の一部シナリオに統合。これらのソリューションとB2Bコラボレーションプラットフォーム「SAP Business Network」の連携を強化することで、ビジネスプロセスの最適化と戦略的な取り組みの早期達成を支援するという。さらに、サプライチェーンデータとビジネスAIを組み合わせ、実践的な調達および人材管理のシナリオをサポートするとのこと。

 なおSAP Aribaの新機能としては、Jouleを活用した製品とサプライヤーの推奨機能を提供する。これにより、購買ニーズを自然言語で入力するだけで、インテリジェントかつパーソナライズされたレコメンデーションの生成を行えるとした。この機能は、2024年後半に一般利用可能となる予定。また、包括的な支出分析機能を提供するSAP Spend Control Towerにより、全社的な支出分析を一元管理し、迅速なコスト増加を特定するとしている。

 SAP S/4HANA Cloud Public Editionのbuying 360機能では、製品とサービスを1つの取引にまとめる新しい調達オプションと生成AI機能が提供される。ユーザーが自然言語で購買ニーズを記述すると、システムが最適な製品とサービスの組み合わせを提案してくれるとした。この機能も、2024年後半に利用可能となる予定だ。

 また、SAP Ariba Central Invoice ManagementがSAP S/4HANA Cloud Public Editionと統合され、請求書を購買注文書や受領書と照合するプロセスが自動化される。これにより、コンプライアンスの向上や範囲外支出の削減を支援し、買掛金管理プロセスの効率化が図れるとのこと。

 一方、SAP Fieldglassの新機能としては、Jouleを活用することで、外部人材の職務記述書やスコープ・オブ・ワーク(SOW)を自動生成し、必要なスキルと資格を特定する機能が提供される。さらに、候補者を給与希望、スキル、経験に基づいてランク付けし、最適な候補者を提案するという。

 このほか、SAP Business Networkの機能強化として、SAP Business Network Supply Chain CollaborationとSAP Business Network Material Traceabilityの統合により、製品がどの原材料からどのような工程を経て作られたかを追跡するデータを共有し、サプライチェーン全体の追跡可能性とコンプライアンスを確保するとした。加えて、SAP Business Network Freight Collaborationとの連携により、インバウンド配送のスケジュール更新を自動化し、輸送会社の引き取り予定や配送予定の管理を簡素化するとのことだ。