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NEC、LLMを活用した製造現場のナレッジ継承支援システムを開発

 日本電気株式会社(以下、NEC)は18日、製造業のナレッジ継承に関わる課題を解決するため、LLM(大規模言語モデル)を活用し、製造現場における設備・品質不良、生産効率低下などの問題の解決を支援するシステムを開発したと発表した。

 開発したシステムは、問題発生時などにおける作業員からの問い合わせに対し、LLMが製造現場で発生したトラブルの情報や過去のノウハウ、ナレッジをもとに回答する。経験が浅くノウハウが少ない作業員が直面する問題の早期解決を支援する。

LLM活用 匠のノウハウをデジタル化

 製造業の現場で蓄積してきた過去のトラブル対応情報や日報など、熟練作業員が持つさまざまな業務ノウハウをシステムに事前に登録することで、製造現場で問題が発生した際に作業員がチャット形式でシステムに問い合わせをすると、事前登録をした過去の業務ノウハウをもとに、最適な情報やナレッジの回答を導き出し、LLMが問題の原因やその対処方法の気付きを提供する。

 匠(熟練工)のナレッジを構造化するデータモデルテンプレート、問い合わせを効率化するプロンプトテンプレートをセットで活用することで、高精度な回答を可能にする。

システムイメージ

 NECでは、自身をゼロ番目のクライアントとして最先端のテクノロジーを実践する「クライアントゼロ」の考え方のもと、2024年3月にNECプラットフォームズ(甲府事業所)で技術検証を行った。検証では、RAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)の仕組みを用いることで、AIハルシネーションを抑制しつつ、現場で過去に起きた事象や原因などの質問内容に合った情報を、高い精度で呼び出せたという。

 NECはシステムのさらなる性能向上を実施し、2024年度中の提供開始を目指す。また、今後もLLMを業務適用する共創活動を推進し、製造現場のニーズに応じたLLMの活用を推進していくことで、製造業DXの加速に貢献するとしている。また、開発したシステムを、東京ビッグサイトで6月19日~21日に開催される「設計・製造ソリューション展」で紹介する。