ニュース

ServiceNowと富士通、クロスインダストリー向けのオファリング提供に向けた戦略的パートナーシップを発表

 米ServiceNowと富士通株式会社は7日、ServiceNowのデジタルビジネス向けプラットフォームと、富士通のさまざま業界に関する専門的な知見を組み合わせた、クロスインダストリーに社会課題を解決する「Fujitsu Uvance」のオファリングの提供に向けた新たな戦略的パートナーシップを発表した。両社は、2024年後半に開設する「Fujitsu-ServiceNow Innovation Center」を通じて、世界中の顧客のDXおよびカスタマーサクセスに注力し、より多くの価値を提供するとしている。

 ServiceNowと富士通は、近年、ITサービスの導入が進む一方で、さまざまな企業でいまだに手作業での業務や部門ごとに最適化されたレガシーシステムの運用が残っており、これらに限られたリソースで対応することが招く業務遅延やサービス品質の低下が課題となっていると説明。そのため両社は、サイロ化した業務システムやアプリケーション、複雑なビジネスプロセスを合理化するために自動化の推進を進めるとしている。

 両社はまず製造分野に向け、エンジニアリングチェーンマネジメント(ECM)とサプライチェーンマネジメント(SCM)の業務全体を管理し、業務データの連携や業務プロセスを統合するプラットフォームを「Fujitsu Uvance」のオファリングとして提供することで、顧客の業務効率化とデータドリブン経営の実現に貢献する。

 クラウドサービスにおいて定期的にリリースされる新機能をフル活用するには、継続的に利用環境を見直し、改善し続けることが重要だと説明。両社は、プラットフォーム活用から戦略立案まで継続的な改善を支援する富士通のアドバイザリーサービス「Fujitsu Customer Advisory and Support Excellence」(CASE)と、ServiceNowの包括的な価値を加速するソリューション「ServiceNow Impact」を組み合わせ、顧客が利用するServiceNowプラットフォームの価値を最大化するオファリングを提供する。

 ServiceNow Impactのグローバルなサービス展開、ツール、知識から得られた洞察は、CASEのプロフェッショナルサービスを通じて、顧客のServiceNowプラットフォームへシームレスに適用できるようになると説明。新オファリングは、2024年後半にグローバルで提供開始する予定としている。

 富士通は、全世界で約12万4000人の従業員がServiceNowプラットフォームを利活用しており、さらなる業務の効率化と自動化に取り組み、そこから得られた知見を革新的なオファリング開発へとつなげ、顧客への価値還元を拡大していくと説明。例えば、社内ヘルプデスクの業務において、富士通のAIサービス「Fujitsu Kozuchi」やServiceNowの「Now Assist」などの生成AI機能によりオペレーターの対応を分析し、応答内容からQ&A集を自動生成したり、応対履歴の傾向分析からトラブルを予測したりすることで、インシデント件数を約30%削減する取り組みを行っているという。

 ServiceNowと富士通は、パートナーシップをより強固なものにし、イノベーションの創出を加速させるため、Fujitsu Uvance Kawasaki Tower(神奈川県川崎市)に「Fujitsu-ServiceNow Innovation Center」を2024年後半に開設する。両社はこの拠点を中心に、顧客向けの新たなオファリングに関して協業し、販売から、マーケティング施策の実施、デリバリー、相互人材育成を推進し、より高品質なカスタマーサクセスの実現を目指すとしている。