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キヤノン、MRシステム「MREAL」用の基盤ソフト「MREAL Platform 2024」を発売

 キヤノンは11日、現実映像と3DCGをリアルタイムに融合するMR(Mixed Reality:複合現実)システム「MREAL」シリーズの基盤ソフトとして、XR業界のデバイス・アプリ間の仕様における標準規格「OpenXR」に準拠し、位置合わせの精度を強化した「MREAL Platform 2024」を4月下旬に発売すると発表した。

 キヤノンのMRシステム「MREAL」は、製造業を中心とした設計や製造の現場などにおいて、デザインの検証や設備の配置シミュレーションなどで活用され、開発期間の短縮やコストの削減を実現する支援ツール。

 MREALシリーズの基盤ソフト「MREAL Platform 2024」は、OpenXRに準拠することで、顧客が持つさまざまなアプリケーションとの接続の容易化や、アプリケーションベンダーによるMREAL用のアプリケーション開発の促進に貢献する。また、空間特徴位置合わせの機能の強化により、静止物が少なく特徴点がない場所でも精度の高い位置合わせを実現し、臨場感のあるMR映像体験を可能にする。

 OpenXRは、技術コンソーシアムのKhronosグループが策定した、XRデバイス・アプリ間の仕様を標準化するロイヤリティフリーの規格。OpenXR規格に準拠することで、さまざまなアプリケーションが多くのXRデバイスで使用できるだけでなく、共通のインターフェイスでアプリケーションを開発できるため、開発の負担を軽減できる。

「OpenXR」への対応により、さまざまなアプリケーションとダイレクトな接続を実現
特徴点が少ない場所でも3DCG映像の精度の高い位置合わせが可能

 今回、MREAL Platform 2024がOpenXRに準拠したことで、同規格に準拠した3D CADなどのアプリケーションとMREALとのダイレクトな接続を実現する。MREAL用アプリケーションの開発を支援するとともに、アプリケーションベンダーとの連携を強化し、MREALのさらなる活用領域の拡大を目指す。

 MREALは、周囲の静止物から特徴点を抽出し、自身の位置座標を推定して位置合わせを行う。この空間特徴位置合わせ時に発生するノイズや誤差の抑制などの機能強化により、さらに精度の高い位置合わせを実現し、安定したMR映像体験が可能となる。これにより、これまでは位置合わせが難しかった設備導入前の工場の空きスペースなど、スペースが広く特徴点が少ない場所でも、周囲に特徴点を設置するなどの追加作業なく使用を開始できる。

 MREAL Platform 2024の価格はオープン。