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Akamai、クラウドコンピューティングを世界各国のエッジに配置する計画を発表

 米Akamai Technologies(以下、Akamai)は現地時間13日、クラウドコンピューティング機能を、企業が自社で展開する大規模なエッジネットワークに組み込む計画を発表した。

 Akamaiでは、「Generalized Edge Compute(以下、Gecko)」により、ユーザー、デバイス、データソースに近い場所でワークロードを実行することで、より優れた体験を提供したい企業向けのクラウドコンピューティングプラットフォームになることを目指す、Akamaiの戦略を前進させると説明。

 従来型の重いコンピューティングは、通常、集約型のデータセンターに任せるが、Geckoの場合はそれをAkamaiのネットワークのエッジに移すことで、以前は届きにくかった何百もの場所にフルスタックコンピューティングが導入され、顧客はユーザーの近くにワークロードを移動できるようになるとしている。

 Akamaiが発表した第一段階では、仮想マシンをサポートするコンピューティングを年末までに100都市に導入することを目指している。2024年には既に、香港特別行政区、クアラルンプール(マレーシア)、ケレタロ(メキシコ)、ヨハネスブルグ(南アフリカ)のほか、ボゴタ(コロンビア)、デンバー(コロラド州)、ヒューストン(テキサス州)、ハンブルク(ドイツ)、マルセイユ(フランス)といった、ハイパースケーラーが集中していない都市に、Geckoで構築された新しい拠点を展開。第1四半期末までに、サンティアゴ(チリ)に10カ所目のGecko拠点を展開する予定。

 これら10カ所の新しいGecko拠点と、既存の25のコアコンピューティング拠点以外にも、Akamaiは今後数年間で数百の都市を、グローバルなクラウドコンピューティングのフットプリントに追加することを目指すという。

 2024年の後半に開始されるGeckoの第二段階では、コンテナを追加する予定で、さらに第三段階では、自動化されたワークロードオーケストレーションを追加して、開発者が何百もの分散された場所でアプリケーションを簡単に構築できるようにする予定。最終目標は、各コアコンピューティング拠点とエッジの間で一貫したユーザー体験を実現することだとしている。

 Akamaiでは、従来のクラウドプロバイダーにとって届きにくかった場所に、クラウドコンピューティングを導入することで、開発者は構築の対象をクラウドにするのか、エッジにするのかで迷う必要がなくなると説明。クラウドプロバイダーやエッジプロバイダーに対する開発者の要求が増大しているため、Akamaiは一連のコンピューティングをまとめることでイノベーションを起こすことを計画しており、そのために、クラウドコンピューティングの能力をエッジに配置するためのコンバージェンスを推進するとしている。