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NEC、インテントに基づくネットワークの自律運用技術を開発
2024年2月5日 10:00
日本電気株式会社(以下、NEC)は2日、Autonomous Networks(自律化ネットワーク)の実現に向けた、インテント(サービス提供者やユーザーがサービスやネットワークに求める要件)によるネットワークの自動設計・自律制御システムを開発したと発表した。
開発した技術は、インテントに基づいてシステムが運用計画を自動生成し、さらに通信負荷の変化に応じて、元のインテント内容を維持するためにネットワーク構成を自律的に変化させることが可能。情報通信業界の国際標準化団体であるTM Forumで定義される、レベル5の完全自律化ネットワークの実現に資する技術となる。
これにより、さまざまな要件に対応するネットワークを、運用コストを抑えて迅速に構築することが期待でき、ゼロタッチオペレーションの実現に近づくとしている。
また、NECは、日本電信電話株式会社(以下、NTT)および株式会社NTTドコモと共同で、同技術を用いた実証を実施した。
実証では、Amazon Web Services(AWS)上に構築した5Gモバイルネットワークの実環境に、NTTのインテントからネットワークサービス要件を抽出する技術、ドメイン横断でリソース割当を最適化する技術、および体感品質(QoE)の劣化を事前に予測する技術と、NECの自律運用技術、ネットワークスライシング機能、End-to-Endオーケストレーション機能を組み合わせた。
NTTシステムとNECシステム間では、インテントによるやり取りを行っており、NECシステムでは受け取ったインテントからモバイルネットワークのリソースレベルまでの詳細化を行った運用計画の自動生成と、インテントに応じたネットワーク構成の自律変化を行う機能が動作するインテントベースの運用システムを構築した。
また、NTTドコモは、実証の進捗管理・試験項目作成といった全体統括と、モバイルネットワークへ自律運用ネットワークの適用を鑑みたシナリオの詳細検討を行った。
開発したシステムを用いることで、システム運用者がチャットボットに入力したインテントに基づき、ネットワークスライスごとのアプリケーション、5Gコアネットワーク機能とそれらを配置するデータセンター、およびネットワーク経路を自動で設計・構築し、要件を満たすネットワークを実現した。また、トラフィック量の増加など、QoEの低下の原因となる変化をシステムが事前に検知し、自動でネットワークスライスを増設/再配置することで、QoEを維持できることも確認した。
NECでは今後、運用計画の生成に掛かる時間の短縮や、ユーザビリティの改善、End-to-Endネットワーク全体の運用自律化への対応などの取り組みを進め、あらゆるネットワークの完全な自動化を目指して、研究開発を推進していくと説明。また、インテントベースのオーケストレータの、2025年度の製品化を目指すとしている。