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NTTドコモ、NTT Com、NEC、Sandvineの4社、エリアや時間を指定したネットワークスライシングの実証実験に成功

 株式会社NTTドコモ、NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)、日本電気株式会社(以下、NEC)、カナダSandvineの4社は15日、ハイブリッドクラウド構成で構築した5Gコアネットワーク(以下、5GC)と、NTTドコモが提供する5G SAの商用無線基地局を利用し、エリアや時間を指定してネットワークスライスを提供する技術の実現に向けた実証実験に成功したと発表した。同技術の実証実験成功は世界初になるという。

 4社では、クラウドサービス、AI、IoTなどの利用拡大に伴い、扱う情報量の増加やリアルタイム性が必要な処理など、顧客の利用用途が多様化していると説明。自動運転やドローン、ロボット制御など、今後活用が見込まれる領域への対応を含めた顧客のさまざまな要望に対応するため、利用用途に応じたネットワークスライシングの提供を目指し、技術の研究開発を進めているという。

 今回開発した技術の活用により、イベント会場や災害地域など通信トラフィックが集中する特定スポットで、日時を指定して利用用途に応じた最適なネットワークを提供するなど、顧客の多様な要望に対応するネットワークを早期に提供することを目指すと説明。また、QoS/QoEを可視化することで、提供するネットワーク品質の監視が可能になるとしている。

 実証実験内容のうち、「オンデマンドかつ即時対応を実現するネットワークスライス生成技術実証」では、オーケストレーションプラットフォームであるQmonus(NTT Comが提供するクラウドネイティブアプリケーションおよび強化された配信と運用のためのPlatform-as-a-Serviceテクノロジー)より、ハイブリッドクラウド構成で構築した5GCに対して、オンデマンドで利用エリアや時間を指定したネットワークスライスを生成することを検証した。

 「5Gネットワーク上でのネットワークスライス接続技術実証」では、ハイブリッドクラウド上の5GCで生成したネットワークスライスと、商用環境の5G SAの無線基地局を接続した実通信が利用可能であることを検証した。

 「ネットワークスライスを活用した、高精度の映像処理ユースケース実証」では、ユーザー通信処理装置(以下、UPF)である、ARM-Powered UPF(省電力化を実現したHPE ProLiant RL300 Gen11を用いた、高速・低遅延ユーザーデータ伝送可能なARMアーキテクチャ対応UPF)および、UPF on Outposts(AWSサービスをローカル・セキュア・低遅延で利用可能なOutpostsサーバー上でキャリアグレードのUPFを構築した融合ソリューション)と、インクルーシブコアアーキテクチャの要素技術であるISAPを活用したGPUアクセラレーション機能を連携することで、高速かつ高精度にAI映像解析ができることを検証した。

 「ネットワークスライスの品質監視技術実証」では、トラフィック、およびアプリケーション識別・制御ソリューションを活用し、ネットワークスライスごとにQoS/QoEなどのネットワーク品質監視ができることを検証した。

 利用エリアや時間などの利用用途に応じたネットワークスライスをオンデマンドで生成し、そのネットワークスライスが5Gネットワーク上で利用可能であることを、ユースケース含めて商用の無線基地局環境で確認した。

実証実験の構成

 実証実験の中で、ハイブリッドクラウド環境上の5GC、従来のCPUと比較して、消費電力を抑えたARM-Powered UPFおよびUPF on Outpostsを活用しており、これによりネットワークの迅速な構築や分散設置に加え、環境負荷低減が期待されるとしている。

 NTTドコモ、NTT Com、NEC、Sandvineは、同技術の導入に向けた検討を進めるとともに、今後も多様化するネットワーク需要へ柔軟に対応するため、5G時代に求められるネットワークスライシングを活用したネットワークの研究開発およびサービス提供を推進していくとしている。また、「次世代クラウドスライシング」の取り組みは、1月17日からNTTドコモが開催する「docomo Open Houseʼ24」に出展する。