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ソニーとKDDI、5G SA構成で複数のネットワークスライスを同時利用する技術検証に成功
2022年12月16日 12:29
ソニー株式会社とKDDI株式会社は16日、エリクソン・ジャパン株式会社の協力のもと、5Gスタンドアローン（以下、5G SA）構成で複数のネットワークスライスを使い分けて同時利用する技術実証を行い、成功したと発表した。1つのアプリケーションに対して複数のネットワークスライスを使い分ける実証は世界初になるという。
ネットワークスライシングとは、ネットワークを論理的に分割し、高速・大容量や低遅延など、利用者の用途やニーズに合わせたネットワークを提供する技術のこと。この論理的なネットワークをネットワークスライスと呼ぶ。
ゲームストリーミングや映像配信では、周囲の通信状況に影響されず安定的に利用するため、5G SA構成でのネットワークスライシングの活用が期待されており、ソニーとKDDIは、こうした5G SA構成でのネットワークスライシングを活用する取り組みとして、2022年2月にゲームストリーミングを想定した実証を実施。同じネットワークで提供される他サービスからの影響を受けにくい安定した通信により、スマートフォンを用いて、外出先でも安定してゲームをリモートプレイできることを確認している。
このような用途では、映像などのデータのやりとりには高速性、制御信号のやりとりには低遅延性といった、異なる特徴の通信が必要となることが想定されているが、現状のネットワークスライシングでは、スマートフォンなどの通信機器と適用されるネットワークスライスがひも付いているため、1つの通信機器上で複数種類のネットワークスライスを利用することはできないという。
そこで今回は、ソニーのゲームアプリケーションにおいて、映像信号と操作信号の送受信に異なる性質を有するネットワークスライスを割り当てることで、安定したプレイを実現する環境を構築できることを検証した。
具体的には、3GPPで標準化された「URSP（User equipment Route Selection Policy）」機能を実装した5Gコア装置と5G SA対応のXperiaスマートフォンを利用。5Gコア装置からスマートフォンにURSPのプロファイルを通知することで、単一のゲームアプリケーションに対して、映像信号と操作信号の送受信に異なる性質のネットワークスライスが割り当て可能であることを確認している。
両社ではこのような結果を受け、今後、操作信号は低遅延で確実に通信可能なネットワークスライスを利用し、映像信号は無線環境に応じて最適化することで、無線環境が変化した場合でも、よりいっそう安定したゲームプレイが可能になると、その意味を説明した。
