ニュース

大阪大学とNTT東日本、NTTアグリテクノロジーの3者、地産品の最適な保存方法に向け共同研究

成果を「鮮度保持コンサルティングサービス」として提供

 大阪大学 産業科学研究所(以下、大阪大学)と東日本電信電話株式会社(以下、NTT東日本)、株式会社NTTアグリテクノロジーの3者は15日、地産品の最適な保存方法確立に向けて2022年12月から進めてきた共同研究で、イチゴの長期品質保持に成功したことから、NTTアグリテクノロジーが同成果を活用し、地産品の最適な保存レシピの開発に向けた「鮮度時保持コンサルティングサービス」を開始すると発表した。

 研究は、ICTを活用し、温度・湿度などの環境データや、水分量などの品質データに基づいて、複数の鮮度保持技術を組み合わせた最適な保存方法確立を目指したもの。地産品の鮮度劣化メカニズムや、ICTセンサーで取得した温度・湿度などの環境因子が、研究対象としたイチゴや桃の品質に与える因果関係を解明し、電気エネルギーや包装資材等の複数の鮮度保持技術を組み合わせた、最適な保存方法開発を目的に取り組み、研究成果として、イチゴが通常の冷蔵保存4日間と比較して、プラス10日間の品質保持を実現できた。

 3者は、日本各地には魅力ある地産品があるが、品質を保持したまま消費地に届けられないものが多く存在し、また、食料自給率向上が求められる一方で、収量や気候変動で需給バランスが崩れ、流通各所でのフードロスが課題になっていると説明。さらに物流業界では、2024年から時間外労働の上限規制が始まることで、生鮮流通が一層困難になっていき、これら生鮮流通に関わる各種課題の解決に向けては、地産品の品質を保持しながら生産地と消費地をつなぐ、コールドチェーンに期待が寄せられているとしている。

 NTTアグリテクノロジーでは、今回得られた研究成果を活用し、地産品を取り扱う生産者や流通事業者等に、鮮度保持コンサルティングサービスとして、最適な保存方法を提案すると説明。具体的には、取り扱う地産品に最適な保存レシピの開発をはじめ、保存設備の運用方法などをトータルにコンサルティングし、サービスを通じて地産品の出荷調整や長期販売・ブランディングなどに貢献していくとしている。

コンサルティングサービスのイメージ