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デル・テクノロジーズ、コンテナ向けオブジェクトストレージ「Dell ObjectScale XF960」を発表

 デル・テクノロジーズ株式会社は9日、スケールアウト型のコンテナ化オブジェクトストレージ提供する「Dell ObjectScale version 1.3」と、同ソフトウェアを搭載した「Dell ObjectScale XF960」を発表した。価格は個別見積もり。

 ObjectScale XF960は、最新世代の「Dell PowerEdge」サーバーを基盤に設計されているオールフラッシュアプライアンス。これまで、ObjectScaleが提供していたソフトウェアデファインドオプションを超える柔軟性を提供するとともに、Kubernetesを基盤にカスタムビルドされた、世界で最も強力なオブジェクトストレージアプライアンスを提供するとしている。

「ObjectScale XF960」

 デル・テクノロジーズでは、アナリティクスや生成AI、また関連するクラウドネイティブなアプリケーション開発など、高度な処理能力が求められるワークロードのプライマリーストレージとして、オブジェクトストレージの採用はますます増えていると説明。ObjectScaleは、スケールアウト型のハイパフォーマンスなコンテナ化オブジェクトストレージとして、グローバルネームスペースや強力なS3互換性、パワフルなパフォーマンス、導入初日から効果を発揮するエンタープライズグレードのセキュリティにより、顧客を迅速にサポートするとしている。

 ObjectScaleの重要なポイントは柔軟性で、現在必要な容量からPB(ペタバイト)単位、さらにそれ以上の容量へと拡張できると説明。OpEx(運用コスト)またはCapEx(設備投資)の価格モデルを選び、パブリッククラウドと同じ使いやすさを実現するとしている。

 ソフトウェアデファインドのObjectScaleにより、エッジロケーションでデータ管理を最適化してデータを取り込み、ObjectScale XF960アプライアンスにより、データセンターでハードコア処理を実行する。StarburstとObjectScaleを組み合わせることで、オンプレミス環境およびマルチクラウド環境にわたり、ハイパフォーマンスで制限なしに拡張可能なレイクハウスの基盤を構築できる。

 ObjectScaleは、オールフラッシュアプライアンスに加え、選択可能なソフトウェアデファインドの2つのオプションを用意する。「Software Bundle」は顧客のインフラに展開し、ObjectScaleとKubernetesの管理はデル・テクノロジーズが行う。「As-an-Application」はデル・テクノロジーズがObjectScaleを管理し、顧客はKubernetesを搭載したRed Hat OpenShiftを展開・運用する。

 また、ObjectScaleは、S3互換性を持つマイクロサービスとKubernetesオーケストレーションを提供。最新世代のPowerEdgeサーバーによるパフォーマンスとフルスタックNVMe接続性により、開発サイクルをスピードアップし、ノードあたり最高4.3GB/秒の読み取りと3.3GB/秒の書き込みを可能にし、迅速なデータアクセスと伝送を実現する。

 ObjectScale XF960のパフォーマンスは、最新の持続可能性および効率性により、最適なバランスを実現。その好例が、インテリジェントなサーマル(熱)アルゴリズムと、デル・テクノロジーズの「Smart Flow」シャーシにより、最も必要な場所で最適なレベルの冷却を実現する「PowerEdge」スマート冷却テクノロジーだとして、今回発表した最新アプライアンスは、前世代の2倍の密度、廃棄物と排出を削減するための柔軟な利用オプション、また安全なデータのサニタイズと破壊を含む包括的なプロフェッショナルサービスオプションを提供するとしている。

 デル・テクノロジーズでは、今回発表した最新のソフトウェアアップデートとObjectScale XF960は、パブリッククラウド単体で利用できる能力を超える、高度な新機能を提供すると説明。新しいS3バケットログおよび強化したS3レプリケーションにより、監査とコンプライアンスを強化するとともに、新しいコンセンサスベースの保護と自己暗号化ドライブ(SED)により、不正な管理者など「悪意ある攻撃者」の脅威からの保護などが可能になるとしている。