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京都済生会病院がLINE WORKSを導入、院内のコミュニケーション活性化やペーパーレス化を推進

 ワークスモバイルジャパン株式会社(以下、ワークスモバイル)は3日、社会福祉法人恩賜財団京都済生会病院(以下、京都済生会病院)が、ビジネスチャット「LINE WORKS」を全職員に導入したと発表した。

 京都済生会病院では従来、各部署への案内は紙で行われていたため、多量のコピーを作成し、配布する手間やコストが発生していた。また、インターネットから分離された電子カルテ用のPCをメインで使う職員とのデータの受け渡しには、セキュリティのかかったUSBメモリを利用してデータの受け渡しを行う必要があったほか、院長から各部門責任者への情報伝達は電話か対面で実施されるなど、スムーズな情報共有が難しい状況だったという。

 そこで同病院では、新築移転を機に院内のDXを推進する上で、厚生労働省による「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」をはじめ、医療機関がデータ活用をする際に望まれる「3省2ガイドライン」に沿い、セキュアに利用できる環境の整備を検討。チャットに加えてグループウェアとしての機能を持つLINE WORKSの導入を決定した。

 グループトークやフォルダ、掲示板など、LINE WORKSの活用によって、院内の情報共有体制が整った結果、600人近い職員への情報周知も即座に行えるようになった。また既読機能により、誰に見てもらえたかもわかるため、伝達にかかる時間を短縮できるようになったとのこと。

 なお新病院のWi-Fiは、職員用と患者用の2系統が存在しており、LINE WORKSは職員用の系統につなぎ、院内で患者が利用するインターネットとは完全に切り離されている。また職員用のネットワークも電子カルテ用のネットワーク系統とは別のため、セキュリティは担保されているという。

 あわせて、病院の情報セキュリティポリシーにのっとったLINE WORKSの運用ルールも定められた。全職員での運用開始に際しては、「患者の個人情報をやり取りしない」「利用は業務時間内に限り、緊急時以外は翌営業日にする」「ハラスメント行為や情報漏えい行為があれば管理者がログのモニタリングをする」といったルールを明記した運用ガイドラインを作成・展開した。

 なおBYODでも利用されているが、その場合は個人の端末へのMDM(遠隔デバイス管理ツール)のインストールも促しているとのこと。管理者機能により、個人のデバイスへのファイルのダウンロード制限や、トークでやり取りしたデータは1年で削除される等の設定が行われている。

左:通達等の文書も動画ファイルも、職員が随時閲覧できるよう掲示板にアップすることで効果的に周知している
右:会議の資料や議事録はグループのフォルダで管理。紙資料の出力がなくなりペーパーレスが進んでいる