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愛媛県、災害時の市町連携ホットラインでLINE WORKSを活用しBCP対策を強化

 ワークスモバイルジャパン株式会社(以下、ワークスモバイル)は11日、愛媛県がビジネスチャット「LINE WORKS」の活用を開始したと発表した。愛媛県では、各市町と県を結ぶ「災害対応ホットライン」をLINE WORKSで構築し、BCP対策の強化を図っているという。

 愛媛県では、自然災害などで甚大な被害を受けた市町を支援する市町をあらかじめ割り当てておき、要請に応じて、割り当てられた市町から職員を派遣するという、「カウンターパート方式」を導入。同方式のもとで支援活動を行っていたが、カウンターパートの市町同士が直接やり取りするのではなく、支援を求める市町がまず県に要請し、県がカウンターパートの市町にその要請を伝えるという形式のため、連絡に多くの時間と手間がかかっていたという。また、災害時には電話回線が寸断する可能性もあるので、電話以外でも非常時に県と各市町が迅速かつ確実に連絡しあえるコミュニケーション手段が必要とされていたとのこと。

 こうした課題を解決する手段として、愛媛県ではLINE WORKSを採用し、同サービスを活用した災害対策ホットラインを構築した。このホットラインでは、A・B・Cからなる既存のカウンターパートグループをそのまま利用し、各グループの被災市町、一次支援市、二次支援市町がLINE WORKSのトークで素早く情報を共有できるようにした。

 グループの主な構成メンバーは、首長の判断を踏まえて迅速な対応ができる各市町の副市町長と防災・人事担当者で、さらに県災害対策本部の防災局や市町振興課の担当者なども各グループに所属することで、非常時のやり取りの内容を複数人がリアルタイムに把握できるようにしている。これにより、被災市町から支援市町への応援要請がスピーディに行えるようになり、ホットラインとして機能するようになったとした。

 具体的な手順としては、災害発生時に、被災した市町が被害の状況とともに応援職員の派遣要請をトークで発信すると、同じグループ内の一次支援市が直ちに職員の派遣を手配する。また被害が大きく一次支援市だけでは対応しきれない場合に備えて、二次支援市町も早い段階から準備を整えるほか、必要に応じて、県からの協力も臨機応変に行うとのこと。

 今後は、非常時にホットラインをしっかり機能させることができるよう、防災訓練の一環として、LINE WORKSのトークグループで支援要請をするなどのトレーニングを通じ、連携体制の強化を図る考えだ。またビデオ通話機能を活用し、被災した市町が一次支援・二次支援の市町の担当者に、被害の状況を映像で示しながら支援を要請するといった、さらなる活用方法も検討する。

 なお、全メンバーが所属するグループも設定されており、こちらは県外で大きな自然災害が発生した際の情報共有に利用されている。