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SAPジャパン、立ち上げ2年目のクラウド・サクセス・サービス事業を強化

 SAPジャパン株式会社は14日、同社のクラウド・サクセス・サービス事業について説明会を開催した。同事業は、クラウドにおけるカスタマーサクセスを目指し、適切なアセットやコンテンツなどを提供する事業だ。

 SAPがグローバルでSAPクラウド・サクセス・サービス事業本部(CSS)を立ち上げたのは2022年1月のこと。現在は、約2万2000人のCSS担当者が顧客の成果実現に向けたサービスを提供するとともに、パートナーエコシステムの拡大やエクスペリエンスの簡素化、クラウドマインドの導入に取り組んでいる。日本ではグローバル組織の立ち上げから数ヶ月後の4月にCSSチームを結成し、現在約700人が所属しているという。

SAPクラウド・サクセス・サービス事業本部について

 SAPジャパン 常務執行役員 クラウド・サクセス・サービス事業本部長の堀川嘉朗氏は、日本国内のCSSで特に重視している点として、「カスタマーバリューを実現するだけでなく、CSS自身も顧客の窓口となるCustomer Success Partnerを増員するなど、変革に取り組んでいる。また、グローバルの知見とネットワークを活用するとともに、パートナーとの協業も通じ、スケーラブルなサービスを提供することに力を入れている」と述べた。

国内のCSSが注力する分野
SAPジャパン 常務執行役員 クラウド・サクセス・サービス事業本部長 堀川嘉朗氏

 CSSが提供するサービスのひとつに、クラウドサービスの利用促進を目指した「SAP Preferred Success」というサービスがある。これは、機能採用計画や品質チェック、新機能などの詳細なリリースガイダンス、対象を絞ったトレーニングなどを提供していたサービスだが、9月より新たに拡張版として「SAP Preferred Success, Expanded Edition」を各クラウド製品にて本格的に展開しているという。

 Expanded Editionでは、ソリューションの詳細なレビューと分析により、継続的な事業運営をサポートするサービスや、対象分野のエキスパートと対話することで、機能的・技術的なガイダンスと深い専門知識を提供する支援サービスを用意。また、新機能の評価をして環境設定やPoCの実行を支援した上で機能を導入するサービスや、使用状況を分析してベストプラクティスに沿ったプロセスの改善を指導するソリューションレビューなども提供する。

9月に提供開始したSAP Preferred Success, Expanded Edition

 本稼働後のシステムに対する運用保守サービスの「SAP Cloud Application Services」も強化する。今後は標準サービスに加え、「個別に変更を加えたい場合の支援や、セキュリティコンプライアンスを高める運用計画の策定、IT運用の改善計画、デプロイメント管理など、より運用の効率化につながるようなサービスを本格的に展開する」(堀川氏)としている。

SAP Cloud Application Services

 さらに堀川氏は、顧客固有の要件を満たすカスタムソリューションを提供する「Cloud Service Development」についても言及。同サービスの特徴について、「SAPのさまざまな製品との親和性や、中長期のロードマップを理解した上で構築するため、(アプリケーションのコアには手を入れない)クリーンコアが本質的に実践できる。開発もグローバルチームが行うため、さまざまな国の事例を活用しながら開発できる効率的なサービスだ」とアピールした。

Cloud Service Development

 このほか、10月からは複雑な環境へのニーズが高い顧客に対し、「SAP MaxAttention North Star」を日本市場でも本格展開する。同サービスは、すでに約20年の実績を持つプレミアムサービス「SAP MaxAttention」を拡張したものとなり、SAPの全ポートフォリオをカバー。「中長期のビジネスとITの両方を見てロードマップを作成し、6つの方法論に照らし合わせてサービスを提供する」(堀川氏)という。

10月にはSAP MaxAttention North Starを提供開始

 「SAPはクラウドサービスを提供する製品ベンダーではあるが、ソフトウェアを作って終わりではなく、永続的に機能を提供することがミッションだ」と堀川氏。このミッションの下、CSSの提供するサービスを通じて「長期にわたって顧客に寄り添うビジネスパートナーでありたい」との考えを示した。