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日立ソリューションズ・テクノロジー、製造実行システム「VCIM」の機能を強化

 株式会社日立ソリューションズ・テクノロジーは7日、高度な製造DXの実現に欠かせない製造の自動化・省人化推進を目的に、ロボットなどを含む生産設備との連携機能を強化した、IoT-Edge端末ソフトウェア「VCIMBox S/W」と製造実行システム「VCIM」の設備通信ミドルウェア「PLC通信ドライバ」を販売開始した。

 日立ソリューションズ・テクノロジーでは、経営効率向上や、熟練者のノウハウ継承に対応した作業自動化などを実現する製造DXの推進には、精度の高い製造現場のデータについて、さまざまな設備とのデータ収集と制御が必要となり、特に、レガシーな設備との連携や、PLCを介した設備との通信制御は、高度な製造DXの実現に向けた大きな課題となると説明。こうした課題の解決として、製品では設備との連携機能を強化した。

 レガシーな設備との連携機能を有する製品である「VCIMBox S/W」は、ハードウェアとのセット製品であった「VCIMBox」から、ソフトウェアのみの製品として提供形態を変更し、さらにセキュリティを考慮した通信仕様への対応により、直接的なクラウド連携を容易に実現可能とした。

 ソフトウェアによる提供とすることで、顧客の既存ハードウェアの活用と、収集場所のスペースやコストおよび性能に合わせた、最適なスペックのハードウェアが選定可能。セキュリティを考慮したクラウド連携を実現し、MQTT、SSL通信への対応により、セキュリティを考慮したクラウドサービスの活用が容易に可能となる。通信プロトコルでは、Modbus TCP規格を追加対応することにより、データ収集できる対象設備をModbus TCPに対応した設備まで拡大した。

 PLCを介した設備制御を行うための製品である「PLC通信ドライバ」は、ユーザーが設備とのハンドシェイク処理を意識せず、システム固有の処理ロジックをイベント処理として開発することで、容易に設備制御の自動化を実現できる。今回、PLC通信ドライバが対応するイベントの種類を拡充し、より柔軟なシステム開発を可能とした。

 設備とハンドシェイクした制御機能を標準提供し、単純なPLCへの読み書きだけでなく、ユーザーが設備とのハンドシェイク処理を意識せずシステム固有の処理を作成し、イベント登録するだけで設備制御を実現でき、少ない開発工数で早期自動化を実現できる。

 異常ケースを考慮した処理フローを標準提供。通信データのロストや相手側の無応答などの、異常ケースを考慮した処理フローを使用して設備連携を行うことで、それぞれの設備で異常ケースの設計を行う場合に比べて考慮漏れがなくなり、高信頼性のシステムを実現できる。

 製品の価格はオープン。「VCIM」は、顧客のデジタルイノベーションを加速する日立グループの「Lumada」の製造業向けソリューションの一つとなり、日立ソリューションズ・テクノロジーはVCIMにより、顧客の最適なモノづくりを支援していくとしている。