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日立ソリューションズ・テクノロジー、製造実行システム「VCIM」の開発者向けSDKを強化

 株式会社日立ソリューションズ・テクノロジーは26日、製造実行システム「VCIM」の開発者向けSDK「MESライブラリ」を5月6日に販売開始すると発表した。価格はオープン。

 MESライブラリは、製造実行システム(以下、MES)の機能を開発するためのデータベースモデル、開発基盤機能、業務ロジックAPIで構成されるライブラリ。製造現場にフィットしたMESのシステム開発を簡素化し、将来の機能拡張が容易になるシステムの実現を支援する。

 今回、既存ライブラリ(MES基本ライブラリ、MES工程管理ライブラリ、MES在庫管理ライブラリ)に加え、「MES装置管理ライブラリ」「MES品質管理ライブラリ」を追加することで、装置の効率的な監視やボトルネック分析による無駄の改善、検査結果自動判定による業務効率化や検査ミス防止を実現するシステムを容易に開発可能にした。

「MESライブラリ」全体図

 MES装置管理ライブラリは、装置状態やアラーム発生・解除、加工結果や測定値などのさまざまな装置データの最新情報と履歴を記録するAPIを提供する。これらの情報はマスタ設定により、装置ごとに汎用的に定義可能。

 装置状態や発生中のアラームをリアルタイムに収集することにより、ライン内の装置の状況を把握し、障害を早期に発見できる。また、登録した装置状態・アラーム・装置データの履歴情報とマスタに設定可能なパラメータを利用して、さまざまなKPI算出や傾向分析を行える。これにより、ボトルネックや無駄を特定し、製造現場の改善を支援する。

 MES品質管理ライブラリは、マスタ設定した検査項目に対する検査結果や判定の元になった測定値の登録機能と、品目や工程、装置、検査項目などのさまざまな条件で関連付け可能な検査規格マスタと測定値による検査結果自動判定機能を提供する。

 検査員は、入力したロットに関連する検査項目に対し、測定値を入力し、対応する検査規格でしきい値判定し、検査結果のOK/NGを自動判定する。これにより、検査員の業務効率化や検査結果判定ミスを低減し、検査工程の自動化・省人化を支援する。また、測定値と検査結果を履歴管理し、不良分析や品質状況の見える化を支援する。