ニュース

NEC、AIを活用した外観検査システムの構築を支援 住友商事グループ会社の自動車製造関連工場に

 日本電気株式会社(以下、NEC)は25日、住友商事株式会社のグループ会社の自動車製造関連工場に、AIを活用した外観検査システムを納入したと発表した。NECが今回納入したシステムは、カメラ画像とAIを活用して、製品の欠陥を自動で検知するもので、目視確認が必要な中間製品検査ライン全4ラインに導入した結果、スタッフの負担を軽減しながら、ライン停止時間を10%以上減少させるといった効果が確認されたという。

 同工場の中間製品検査ラインでは、製品欠陥の疑いを検知するたびに、ラインを停止して専任スタッフが目視確認を行うといった運用により、安全かつ高品質な製品を提供してきたという。しかし昨今の人手不足の深刻化を受け、デジタル技術を活用することで、これまでと同等の高い製品品質を維持しながら、生産性を向上させる取り組みを行ってきたとのこと。

 具体的には、既存の検査ラインに影響を及ぼさない位置に産業用カメラを追加で設置し、複数のカメラ画像と、機械学習ソフトウェア「NEC Advanced Analytics - RAPID機械学習」を活用して、中間製品の欠陥を解析する外観検査システムを構築した。これにより、欠陥検知の精度を高めるとともに、正常箇所を欠陥と誤認識してしまう過検出の発生頻度を大幅に抑制し、中間製品検査ラインの停止時間を10%以上減少させたとしている。

 また、スタッフが欠陥を確認するためのユーザーインターフェイスなど、各種アプリケーション・ツールも提供しており、中間製品検査プロセスの高度化に貢献するとのことだ。

AI外観検査システムの運用イメージ

 このほかNECでは、同システム納入に合わせて、品種ごとにAIモデルのチューニングや更新・新規作成などを、導入企業が自ら実施できるように、NECが自社のデータサイエンティスト育成に活用している実践型教育プログラム「NECアカデミー for AI」も提供した。これにより、AIモデルの基本的なメンテナンスから運用までを推進できるデータサイエンティストの育成を支援し、同工場における多品種の検査に対応したとしている。

AIモデルのメンテナンスから運用までのイメージ