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富士通がイスラエルPanayaと協業、スムーズなSAP S/4HANAへの移行を推進

 富士通株式会社は9日、クラウドベースのERP/CRMアプリケーションの影響分析ソリューションやテストツールを提供しているITサービス企業、イスラエルPanayaと、SAP S/4HANAへの移行加速を目的とした戦略的パートナーシップを締結したと発表した。これによりSAPソリューションをすでに導入している企業の、スムーズなSAP S/4HANAへの移行を強力に支援するという。

 SAP ERP 6.0の保守サポートの終了が2027年に迫る中で、SAP S/4HANAへの移行を計画する企業が増加しているものの、経済産業省の「IT人材需給に関する調査」によると、2025年には国内で36万人のIT人材の需給ギャップが予想されており、特に専門性の高いSAP技術者の不足が業界全体の課題になっているため、移行コストの上昇や、プロジェクトの遅延によりサポート終了までに移行を完了できない事態が懸念されているという。

 そこで富士通では、Panayaとのパートナーシップを通じて、両社の強みを生かし、より多くの企業がスムーズにSAP S/4HANAへの移行を完了できるよう支援するとした。具体的には、富士通が持つ、SAPの移行プロジェクトで培った経験・知見と、Panayaのソリューションを組み合わせることで、富士通が品質向上とコスト最適化を同時に実現する「SAP S/4HANA」移行サービスを提供するという。

 また、富士通の技術者とPanayaの開発部門が直接連携し、富士通が移行プロジェクトで得た、作業に必要な技術やノウハウ、知見を共有し、Panayaが影響分析ソリューションの新機能として、アドオンプログラム等の自動コード修正機能などを実装する。

 さらに、影響分析ソリューションを利用した富士通のフィードバックをもとに、Panayaでは、AIの活用による標準バグや参照すべき重要ノートの事前検知機能の追加など、ソリューションの精度向上を図るとのこと。