ニュース

富士通とYEデジタルが協業、移行企業個別のニーズを踏まえてSAP S/4HANAへの移行作業を支援

 富士通株式会社と株式会社YE DIGITAL(以下、YEデジタル)は15日、SAP ERPからSAP S/4HANAへのコンバージョンを支援することを目的として、戦略的協業を行うと発表した。

 多くの企業が基幹システムとして利用しているSAP ERPは、メインストリームメンテナンスが原則2027年に終息する予定のため、後継製品であるSAP S/4 HANAへの移行を検討する企業が増えている。そうしたSAP ERPのユーザー企業は、SAP S/4HANAの導入により、業務変革などの付加価値を期待している一方、移行コストや移行期間中のシステム稼働などについて課題を持っており、各企業のニーズを汲み取って、最適な形で移行することが重要になっているとのこと。

 そこで今回の協業では、両社が互いの技術やノウハウなどの強みを持ち寄り、SAP ERPユーザー企業の、SAP S/4HANAへのスムーズな移行を支援するのみならず、各企業のニーズにあわせて業種固有の機能などを付加して提供することで、企業のビジネスを支える基盤を提供するという。

 具体的には、富士通は、SAP S/4HANAへの移行手法のひとつ「BLUEFIELD」コンバージョンをはじめとする基幹システムの移行手法や、これまでの製造業やSAPビジネスで培ってきたプロジェクトノウハウ、PoC環境などを提供。一方のYEデジタルは、製造業の業務変革に必要となるコンサルティングノウハウや、SAP製品上のデータ移行におけるプロジェクトノウハウ・技術支援を提供する。

 こうした両社の強みを組み合わせて提供することにより、移行に伴うシステムの停止期間を限りなく短くするとともに、移行に伴う業務の見直しや、新たに必要となるシステムの導入など、企業の現行業務における課題解決も合わせて支援するとのこと。

 このために、SAP S/4HANAへの移行時に、SAPの開発・データ連携基盤「SAP Business Technology Platform(BTP)」を、企業のニーズにあわせて導入可能な体制を両社で構築する。

 サービスでは、両社が培ってきたSAP BTP関連の先進技術や開発ノウハウを駆使し、PoC支援などを包括的に行うほか、富士通の製造業向け個別受注生産ソリューション「Fujitsu Application for SAP Solutions Mass Customization」のテンプレートをYEデジタルとも共有し、SAP S/4HANAに搭載されていない業種固有の付加機能を、SAP BTPの環境上で構築・連携して提供することにより、SAP S/4HANAに依存しない柔軟性の高い環境を実現するとした。