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富士通、BLUEFIELDアプローチによるSAP S/4HANA移行支援をグローバル市場向けに提供

独SNPとプラチナパートナーシップ契約を締結

 富士通株式会社と独Schneider-Neureither & Partner SE.(以下、SNP)は24日、SAP S/4HANAへの移行手法のひとつである、SNPの「BLUEFIELD」アプローチの提供に向けて「プラチナパートナーシップ」契約を締結したと発表した。富士通はこの契約に基づき、日本、アジア、欧州、北米などのグローバル市場において、SNPのデータ変換プラットフォーム「CrystalBridge」を活用したBLUEFIELDアプローチを、SAP S/4HANAへの移行を推進する企業へ向けて提供する。

 SAPシステムの移行方法には、既存システムから単純移行するテクニカルコンバージョン、あるいはSAP S/4HANAを新規構築する方法のいずれかを用いるケースが多いが、SNPは双方の利点を組み合わせた第3の移行手法、BLUEFIELDアプローチを開発・提供している。

 このBLUEFIELDアプローチでは、まずCrystalBridgeを活用し、分析・計画フェーズにおいてSAP S/4HANA化に向けた適用分析を行い、移行スコープやロードマップを策定する。次に、その結果に基づき、設計・導入フェーズにおいて、既存システム環境のシステム部分とデータ部分を分離し、データのない状態の空システム「Empty Shell」を生成する。

 その後、Empty ShellをSAP ERP 6.0からSAP S/4HANAに変換した上で、業務に必要なデータを選択的かつ段階的に移行するといった手順になり、利用企業のシステムのダウンタイムを最小限に抑えながら、最短6カ月でSAP S/4HANAへの移行を実現できるとのこと。

 さらにBLUEFIELDアプローチでは、アプリケーションの変更にあわせてデータ調整が可能なことから、SAP S/4HANAへの移行と同時に、アドオンの削減や業務改修も行えるとした。

 なお今回のプラチナパートナーシップ契約の締結により、富士通は、日本、アジア、欧州、北米などのグローバル市場においてCrystalBridgeを再販可能となっており、CrystalBridgeを活用したBLUEFIELDアプローチを、SAP S/4HANAへの移行を推進する企業などへ10月初旬より提供する予定。

 同社では2022年12月末までに、グローバルにおいて、BLUEFIELDアプローチを用いたサービスで30社への導入、100億円の売り上げを目指してビジネスを展開する計画だ。一方SNPでは、2020年2月に株式会社SNP Japanを設立しており、富士通との「プラチナパートナーシップ」契約を契機として、日本企業向けのビジネス展開を加速させるとしている。