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Dropbox、AI搭載の新サービス「Dropbox Dash」と「Dropbox AI」を披露
2023年7月12日 06:15
Dropbox Japan株式会社は11日、AIを搭載した新サービス「Dropbox Dash」および「Dropbox AI」に関する説明会を開催した。両サービスは米国にて6月に発表したもので、Dropbox Dashはベータ版、Dropbox AIはアルファ版が公開されている。
Dropbox Dashは、ツールやコンテンツ、アプリを、ひとつの検索バーでつなげるAI搭載型のユニバーサル検索ツールだ。Google Workspace、Microsoft Outlook、Salesforceなどのプラットフォームと連携し、必要な情報を単一の検索バーで探すことができる。
米Dropbox プロダクトデザイン ディレクターのデヴィン・マンキューソ氏は、「Dropboxのコンテンツだけでなく、世界中のコンテンツを検索できる必要があると考え、Dropbox Dashを開発した」と語る。「AIを活用しているため、使えば使うほど学習し、洗練されていく」(マンキューソ氏)。
Dropbox Dashには、検索機能だけでなく、ブラウザ拡張機能としてURLの保存や整理が容易になる「Stack」というレイヤーが用意されているほか、「Start Page」ではDropbox DashへのアクセスやStackの表示、最近作業していたコンテンツへのショートカット、ミーティングの開始などができるダッシュボードが提供される。マンキューソ氏は両機能について、「StackはAIを使った保存や整理、コラボレーションの手法で、Start Pageは1日のナビゲーションをインテリジェントに支援する」と説明、こうした機能がナレッジワーカーをサポートし、情報の整理にも役立つとした。
現在Dropbox Dashでは、Dash Answersというエンジンを開発中で、これによってユーザーの情報や企業の情報をもとに生成AIを使って質問に答えたり、関連コンテンツを表示したりすることが可能になるという。マンキューソ氏はデモビデオを披露し、「例えば、次の会社の休日がいつかDashに質問すると、Dashが社内コンテンツを検索し、正確に回答する。その回答がどこにあるのかソースも提示されるため、自分で確認することも可能だ」と説明した。
もうひとつの新サービスDropbox AIには、コンテンツの要約機能や、Dropboxのコンテンツについて質問できる機能が備わっている。マンキューソ氏は、「プレゼンテーションや契約書、大量の提案書に対して疑問がある場合、これまでのように何百ページもの中から情報を探す必要がなくなる。Dropbox AIがドキュメントを読んで、疑問に答えてくれるためだ。ワンクリックで200ページほどの情報を一気に要約してくれるようになる」と語る。
現在は個別のファイルを対象としてこのような機能を提供しているDropbox AIだが、「将来的にはほかのファイルやフォルダ、さらにはドロップボックス全体を対象にDropbox AIの機能を提供する計画だ」(マンキューソ氏)という。
米Dropbox創業者のドリュー・ハウストン氏は、4月に同社をAIファーストカンパニーへと進化させていくことを発表しており、Dropbox DashとDropbox AIはこの取り組みの第一歩だという。
日本語版はまだ用意されていないが、「できるだけ早く対応したい」とマンキューソ氏。Dropbox Japan 代表取締役社長の梅田成二氏は、「日本はいろんな意味でAIに対する重要性やニーズが高い国。高齢化社会や労働力不足、デジタル化の遅れから、AIを使って生産性を上げ、国力を再び上げる機運が諸外国よりも強いと感じている」と述べ、新サービスの日本市場での展開に意欲を見せた。