NEC印西データセンターにAWS Direct Connect接続拠点が開設

　日本電気株式会社（以下、NEC）は31日、Amazon Web Services（AWS）と2020年に締結したコーポレートレベルの戦略的協業を拡大し、これまでの協業を通じ得られた知見をもとに、顧客におけるデジタルトランスフォーメーション（DX）の支援を強化し、AWS Direct Connect接続拠点の活用や、AWSを活用したさまざまな業界向けソリューションの提供、AWS認定資格保有者の育成などの取り組みを行うと発表した。

　取り組みでは、顧客のニーズに対応したハイブリッドクラウド環境として、NECのデータセンターとAWSを活用できるソリューションを提供する。具体的には、AWSが「NEC印西データセンター」に開設した「AWS Direct Connect」接続拠点を活用し、AWSリージョンへの専用ネットワークを介した接続を希望する顧客向けに、同拠点を活用した接続サービスを提供する。これにより、AWSとセキュアかつ高速・低遅延な接続が可能となる。

　ハイブリッドクラウド環境の実現により、オンプレミス環境とクラウド環境の利点を生かしたいと考える、例えばオンプレミス環境でデータレジデンシー要件に対応しつつ、AWSの200以上のクラウドサービスを活用してDXを推進したいと考える顧客に対しても、双方のメリットを実現できるとしている。

AWS Direct Connectの接続拠点の活用イメージ

　また、NECでは、2023年5月末の実現を目標としていた、NECグループ内のAWS認定資格保有数3000を前倒しで2022年7月に達成、さらに2023年3月末には4000に到達しており、今後はさらに2023年度から2027年度までの5年間で約6000まで増強し、クラウドプロジェクトに関する国内最大規模のデリバリー体制を一層強化していくとしている。

　マイグレーションとモダナイゼーションの支援についても、NECでは多くのAWSへの移行プロジェクトを実施しており、移行に際しては、技術的な課題を解決するだけでなく、クラウド利用に合わせたビジネス上の評価基準やカルチャー変革など、多くのトランスフォーメーションが顧客には必要となると説明。NECは、AWSとの戦略協業を強化し、今までの知見をもとにNEC社内にマイグレーション＆モダナイゼーションコアチームを発足し、ノウハウを集約して、顧客のDXの第一歩となるオンプレミス環境からクラウドへのマイグレーションやモダナイゼーションに対して、スムーズな移行を支援する。

　さらに、NECではAWSとの戦略的協業に基づき、50以上のソリューションやSaaSをAWS上で提供しており、さらに顧客のニーズに応えるSaaSやソリューション群の拡充を目指して、これらのノウハウを集約し、SaaS＆ソリューションコアチームをNEC内に発足。AWSプロフェッショナルサービスを活用し、顧客に提供するソリューションを拡充するとともに、提供スピードも向上させる。これにより、顧客はNECが提供するさまざまな業界のノウハウを蓄積したソリューションをすぐに利用でき、DXを迅速に推進できるとしている。