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アステリア、ノード統合プラットフォーム「新Gravio」を発表 現場のあらゆるデータをノーコードで収集・統合し一元管理
2023年6月19日 06:15
アステリア株式会社は16日、分散しているデジタル機器、エッジコンピュータ、クラウドをノーコードで連携できるノード統合プラットフォーム「新Gravio」を、7月3日から提供開始することを発表した。
同日には、「新Gravio」をリリースする背景や新機能の概要、今後の展開について記者説明会が行われた。
「新Gravio」の発表にあたり、アステリア 代表取締役社長/CEOの平野洋一郎氏は、「当社では、2002年にノーコードのデータ連携ツール『ASTERIA Warp』、2009年にモバイル情報共有ツール『Handbook』、2017年にノーコードのモバイルアプリ作成ツール『Platio』およびAI搭載IoT統合プラットフォーム『Gravio』をリリースし、常に先進の技術を形にした製品を提供してきた。2018年には東証1部に上場し、以来、昨年度までソフトウェア事業部の売り上げは増収を続けている」と、ソフトウェア事業部のビジネス状況について説明。
「企業のコンピューティングは、クラウド型からエッジ型へと進化しているが、クラウド型にはセキュリティやプライバシーの面で課題があり、エッジ型は管理面での課題を抱えていた。そこで当社では、クラウド型とエッジ型の利点を融合し、非中央集権型アーキテクチャを基本としながら企業に必要とされる集中管理も可能とする新たなコンピューティング形態として、ノードコンピューティングを提唱した。今回、これを実現する第一歩として、ノード統合プラットフォーム『新Gravio』をリリースする。『新Gravio』では、センサーからクラウドまで、現場のラストワンマイルを含め、多要素化・多拠点化するデータを統合的に管理することが可能となる」と、「新Gravio」を提供する背景や狙いを述べた。
「新Gravio」は、AI搭載IoT統合プラットフォームとして2017年から展開している従来の「Gravio」をノードコンピューティング対応に進化させ、ラストワンマイルとなる現場のデータ活用を担う「ノードデータマネジメント(NDM)」を実現するプラットフォームとなるもの。データの多要素化・多拠点化に対応するとともに、データ統合とシステム管理機能を大幅に強化し、あらゆる場所のさまざまなデータをノーコードでサービスにつなぐことができるという。
アステリア グローバルGravio事業部長の垂見智真氏は、「新Gravio」の機能強化ポイントについて、「『新Gravio』では、専用クラウドサービス『Gravio Cloud』を新たに提供する。これにより、移動体位置データ、場所・人のデータ、設備状況データ、AIによるデータなど、各現場(ノード)に分散しているデータをGravio Cloudへ集約・統合し、ノーコードで一元管理することが可能となった。収集したデータは、さまざまな外部サービスとAPI連携することもできる。また、独自のグラフ作成機能を搭載しており、Gravio Cloud上で簡単にグラフを作成できる。各ノードのデータは自動的に統合され、利用者のニーズに合わせて情報を可視化することができる」と、デモを交えて紹介した。
さらに、垂見氏は、生成AIのChatGPTを活用した機能を新たに搭載している点もアピール。「ChatGPTによる連携基盤自動構築機能では、既存データベースとの接続に必要な検索命令文を自然言語からChatGPTが自動で生成する。例えば、『一番古いユーザーのメールアドレスがほしい』など、テーブルから取得したいデータを文章で記入すると、SQLの命令文を自動生成してくれる。また、ChatGPTによる出力をセンサー情報と組み合わせて利用することができる。音声合成サービスやメッセージ通知アプリなどとChatGPTをノーコードで連携。例えば、データベースからほしい本の情報を検索すると、本の名前と著者だけでなく、本の内容や特徴などChatGPTによる出力情報も加えて音声で読み上げるといった活用も可能となる」としている。
「新Gravio」の価格は、導入前検証用の「Free」(ソフトウェアのみ)が無料、小~中規模環境向けの「Business」が8万8000円/月、中~大規模環境向けの「Business Pro」が13万2000円/月、「Business Pro」ライセンス版が264万円(別途メンテナンス費用52万8000円/年)。
同社では今後、「新Gravio」の提供を通じて、現場の情報資産の利活用をさらに促進し、年間約1億円の売り上げを見込んでいる。