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日立ソリューションズ、高所作業車不要でタブレット撮影によりロックボルトの間隔を計測するシステムを開発

 株式会社日立ソリューションズは12日、タブレットを活用してロックボルトの配置間隔を計測できる「GeoMation ロックボルト配置間隔計測システム」を4月13日に提供開始すると発表した。同システムは、従来の計測方法に対して作業効率向上と安全性向上に寄与するもので、三井住友建設株式会社と共同開発した。

 山岳トンネル工事や切土補強土工事で、最初に地山に打設するロックボルトは、国土交通省や自治体などの出来形管理基準および規格にのっとった配置間隔の管理が必要で、これまで煩雑で時間のかかる手作業で計測してきた。

 今回開発したシステムを利用すると、建設現場の施工管理者はデプスカメラ(対象物までの距離情報の取得が可能な距離画像用カメラ)を搭載した汎用的なタブレットを用いて撮影するだけで、ロックボルトの配置間隔を画像上で計測できる。撮影されたロックボルトの画像データは、トンネルの支保工情報とひも付けて整理して格納、計測結果はCSV形式で出力され、調書作成を支援する。

 システムにより、従来は2人が手作業で行う計測作業を1人で行えるようになり、計測から調書作成までの延べ作業時間を2分の1に短縮できる。さらに、高所作業車や足場などが不要になるため、安全性が大幅に向上するとともに、高度な技術を要さないため誰でも容易に計測できるようになり、建設業の人材不足解消に貢献する。

 システムは、日立ソリューションズが開発した「GeoMation 鉄筋出来形自動検測システム」に続き、タブレットを活用して構造物の出来形を計測するもの。日立ソリューションズは今後も、建設分野におけるさまざまな計測業務のデジタル化を図り、建設業の生産性向上と安全性向上に取り組んでいくとしている。