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エッジオが「Edgio Applications Platform 7.0」を来週リリース、国内での販売目標は「2023年度中に30社以上」

 エッジオ・ジャパン株式会社は5日、米Edgioの最高経営責任者(CEO)であるボブ・ライオンズ(Bob Lyons)氏の来日に伴い、同社のビジネス戦略に関する説明会を開催した。

 ライオンズ氏は、2021年に当時のLimelight Networks(現Edgio)にCEOとして入社。その後Layer0を買収し、エッジオーケストレーションやアプリケーションアクセラレーション、開発者ワークフロー機能などのソリューションを拡充したほか、2022年には米Yahoo傘下のEdgecastを買収、エッジセキュリティやコンテンツ配信などの分野でグローバル規模のソリューションを提供できるようになった。この買収に伴い、同社は社名をEdgioへと変更、現在60カ国以上で製品を展開している。

 「Edgioの強みは、パワフルなネットワークでオーケストレーションやワークフローのツールを提供するとともに、セキュリティソリューションも提供していること。また、さまざまな分野の専門家が集結しており、顧客の売上向上やコスト削減、カスタマーエクスペリエンスの向上に貢献していることだ」とライオンズ氏は語る。具体的な実績として、「当社のメディア向けCDNでは、月間3000万時間ものコンテンツをストリーミングしているほか、動画収益化サービスでは3万件以上のライブイベントを管理し、500億件もの広告を配信している。また、セキュリティ面では、1日に2.5万ものDDoS攻撃をブロックしている」とアピールした。

米Edgio CEO ボブ・ライオンズ氏

 同社はアジア太平洋地域でも積極的な事業展開を進めており、この地域での売上は全体の19%を占めているほか、日本における3年間の年平均成長率は20%にのぼる。アジア太平洋地域のネットワーク容量の年増加率は266%で、2023年にはさらに容量が114%増加する予定だという。

アジア太平洋市場の実績

 来週には、新製品の「Edgio Applications Platform 7.0」をグローバルでリリースする。米Edgio チーフマーケティング&ストラテジーオフィサーのナンシー・マルソー(Nancy Maluso)氏は、同製品について「セキュリティ、パフォーマンス、開発という3つの領域をカバーするソリューションだ」と話す。

Edgio Applications Platform 7.0
米Edgio チーフマーケティング&ストラテジー オフィサー ナンシー・マルソー氏

 パフォーマンスエンジンは、ウェブとモバイルアプリケーション両方をサポートし、ネットワーク機能を強化。サイトのパフォーマンスを上げるために必要なエッジ機能も提供している。また、フルスタック環境をサポートし、オブザーバビリティ機能も提供。開発者に向けては、開発者がコードを変更した際にその影響を確認しながら開発を進められるブランチプレビュー機能を用意した。

 セキュリティ機能も、ひとつのプラットフォーム上にWAFやDDoS攻撃からの防御、ボット管理などの機能を統合している。「機械学習に基づくセキュリティソリューションだ」とマルソー氏は述べており、攻撃を受けている場所のみをスクラブするDDoSスクラビング機能を新たに追加したほか、WAAP機能やボット管理機能を向上させたことを強調した。

新たなセキュリティ機能

日本はブランド認知度の向上から

 日本での事業戦略については、エッジオ・ジャパン カントリーマネージャーの田所隆幸氏が解説。社名変更に伴い、ブランド名が浸透していないことから、「まずは新たにサイトを立ち上げて日本語コンテンツを充実させ、展示会への参加やウェビナーなどの定期開催などで認知度を高めていきたい」としている。

エッジオ・ジャパン カントリーマネージャー 田所隆幸氏

 新製品Edgio Applications Platform 7.0の販売加速にも注力する。同製品は、さまざまな機能が統合されたソリューションとなっているが、「すべての機能を購入・使用する必要はなく、顧客の課題に応じてコンポーネントを提供し、ニーズに応えていきたい」と田所氏。エキスパートによるワークショップも個別に実施し、PoCを支援するという。

 ターゲットとする業界については、Eコマースや小売業、金融などを挙げる。「Eコマースにおけるニーズは、LCP(Largest Contentful Paint:最大コンテンツ表示速度)の改善やコンバージョン率の向上など明確で、こうしたニーズに合わせて開発を進めている。また、金融機関に限ったことではないが、セキュリティ上の脅威は日々進化しており、当社のAPIプロテクションサービスや高度なボット対策は、API連携が進む金融システムに最適だ」と田所氏は説明する。

 このほか、エキスパートサービスの体制を強化に加えて、パートナーとの連携もさらに進める。現在同社のパートナーは5社となっているが、今月中に新たに2社との契約を見込んでいるという。

 こうした取り組みにより、「2023年度中に、30社以上の企業にEdgio Application Platform 7.0を採用してもらうことを目指したい」と田所氏は述べた。

エッジオ・ジャパンの事業戦略