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ライムライトからエッジオへ――新会社エッジオ・ジャパンでセキュリティ分野に注力

 エッジオ・ジャパン株式会社は14日、7月1日にライムライト・ネットワークス・ジャパンからエッジオ・ジャパンへと社名を変更したことに伴い、新会社としての戦略について説明会を開催した。

 今回の社名変更は、6月に米Limelight Networksが米Edgecastの買収を完了し、社名をEdgioへと変更したことによるもの。Limelight NetworksからEdgioとなったことで、グローバルでの社員数は約1200人と2倍以上になり、2022年の売上予測は1.5倍に拡大する見込みだという。

 エッジオ・ジャパン カントリーマネージャーの田所隆幸氏は、新会社への移行により、「グローバルでのPoP(大規模配信拠点)が110拠点から300拠点へと拡大したほか、配信能力は120Tbpsから250Tbpsへと拡張した。また、ISPとの接続性は1000から7000に増加している。この3つは、エンドユーザーへの大きなメリットとなる重要なポイントだ」と述べている。

エッジオ・ジャパン カントリーマネージャー 田所隆幸氏
Limelight NetworksからEdgioへ

 新会社では複数のサービスが統合されたほか、新サービスも登場している。Web CDNの「Layer0」は「Edgio AppOps」へとサービス名を変更し、新たなセキュリティサービス「App Security」を追加した。同社ではこれまでもセキュリティ事業を手掛けていたが、以前はサードパーティ製のセキュリティサービスを販売していたという。今回新たに追加したApp Securityは同社が独自開発したもので、Edgioのネットワークに組み込まれているのが特徴だ。

 また、LimelightとEdgecastを統合したCDNの基盤となるサービス「Edgio Delivery」で、大容量ファイルの配信やソフトウェアダウンロードを可能にするほか、ブロードキャストグレードのストリーミングサービス「Edgio Streaming」でライブビデオやビデオオンデマンド、低遅延ストリーミングに対応する。

 エッジオ・ジャパンにおいては、特にEdgio AppOpsによるセキュリティの強化に注力したいと田所氏は話す。「サイバー攻撃は多様化し、巧妙化が進んでいる。ゼロデイ攻撃も増加していることから、App SecurityでWebセキュリティ市場に本格参入し、市場シェアを獲得したい」としている。

Edgioが提供するサービス
Edgio AppOpsについて

 同社製品の差別化ポイントについて田所氏は、「WAF(Web Application Firewall)だけでなく、WAAP(Web Application and API Protection)とネットワークセキュリティによって包括的にWebサイトを保護するのが特徴だ。250Tbpsを超える巨大なネットワークを抱えていることから、昨今巨大化しているDDoS攻撃を万が一受けたとしてもネットワークへの影響は最小限にとどめられる。また、Audit WAFとProduction WAFという2つのWAFを平行運用するデュアルWAF環境を整えており、解析時間を短縮してゼロデイ攻撃対策を迅速化できるほか、誤検出を低減させ、より正確なルールで継続運用することが可能だ。さらに、App Edge(CDN as Code)によってWebサイトのパフォーマンスが向上し、これまでの半分の時間でリリース適用ができる」と説明している。

デュアルWAFの強み

 このほかにも田所氏は、顧客支援のためのサービス「Edgio Expert Service」も拡充し、セキュリティテクニカルアカウントマネージャーの体制を整備するとしているほか、パートナー企業との連携も強化するとしている。

 「現時点では4社のパートナー企業と連携しているが、新規パートナーの獲得に向けパートナープログラムも用意する。特にApp Securityに注力することから、セキュリティ分野に強く市場シェアの高いパートナーとの連携を模索中だ」と田所氏。

 こうした取り組みにより、「日本におけるトップ3000のWebサイトのうち、10%のサイトで評価・検証してもらうことを目指す」と田所氏は述べた。

エッジオ・ジャパンの事業戦略