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リコー、PTCのIoT基盤「ThingWorx」を国内外の拠点に導入 Windchillや複数の基幹システムの情報を統合

 PTCジャパン株式会社(以下、PTC)は4日、株式会社リコーが、PTCのIoTプラットフォーム「ThingWorx」を国内外の拠点に導入したと発表した。リコーでは、グローバルで取り組んでいる業務改革の実現に向けてThingWorxを活用し、すでに導入済の製品ライフサイクル管理(PLM)製品「Windchill」で一元管理されていた3Dデータや各種設計データを、各業務領域のニーズに適したデータ形式に加工して提供することにより、生産性の向上につなげるという。

 リコーグループでは、これまでに国内、国外の拠点でPTCのWindchillを技術情報基盤として活用しており、ものづくりに関わる9500人以上のユーザーが3D CADデータや部品表、技術ドキュメントなどの技術情報を、リアルタイムに閲覧・共有・生成できるように管理している。

 今回、同社はさらに、その情報をよりわかりやすく見える化するThingWorxを採用したもので、PTCでは、複数の基幹システムの情報を統合させ、Windchillで一元管理されたデータとひも付けて閲覧できるよう支援するとした。

 また統合されたデータは、それぞれの現場での業務要件やニーズに適したフォーマットに置き換えられるため、利用者が簡単に情報把握や伝達を行える環境を整えられるとのこと。

 例えば、Windchillに格納されている部品表の情報と、資材や仕入先に関わる情報を、ThingWorxにより、部品にひも付いた一連の情報として容易に業務活用できるようにする。さらに、利用者が必要なさまざまな業務観点からの過去、現在、予測情報を表示し、分析・活用業務の容易化に役立てるとしている。

 なおPTCはリコーにおいて、2023年度からThingWorxのクラウド上での利用を順次展開。続く2024年度には生産現場とも連携を図り、利用者の業務効率や生産性の大幅な向上を目指す考えだ。また同社は、今回のシステム導入における効果や評価結果を自社での製品開発の参考にするなど、DX推進に向けた両社の協力関係をさらに強化する予定とのこと。