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ソフトバンクと安川電機、フィジカルAIの開発基盤に「AIデータセンター GPUクラウド」を活用した実証を実施

 ソフトバンク株式会社と株式会社安川電機は13日、NVIDIAの協力の下、ソフトバンクが開発を進める「AIデータセンター GPUクラウド」をフィジカルAIの開発基盤として活用し、安川電機が開発する柔軟物体ハンドリングシステムの実証を行ったと発表した。

 この開発基盤の活用により、ロボットの動作データの収集からAI(人工知能)の学習・評価、実機への適用までの開発工程を効率化することで、フィジカルAIの導入を迅速かつ容易に行えるようになる。また、今回の実証では、AIがリアルタイムに学習してロボットに的確な指示を出すことで、制御に高度な判断が求められる柔軟な物体を安定してハンドリングできることを確認したとしている。

 ソフトバンクは今後、フィジカルAI開発基盤の提供を通して、企業におけるフィジカルAIの導入を加速させるとともに、各企業が現場で得たデータや知見を自社のフィジカルAIモデルの改善に生かし、他の業務やロボットへ展開しやすい環境の実現を目指すとしている。

 フィジカルAIの社会実装には、ロボットの動作データの収集やAIモデルの学習、シミュレーション評価、実機への適用といった複雑な開発工程を効率化し、ロボットの専門家のみならず多様な技術者が迅速かつ容易に現場へ導入できる開発基盤を整備することが重要となる。

 そこでソフトバンクは、「AIデータセンター GPUクラウド」上でロボットの動作データ収集からデータ拡張(合成データ生成)、AIモデルの学習、シミュレーション評価、実機への適用までの開発工程を一元的に実行できる、フィジカルAIの開発支援ツールを開発した。このツールは、ロボットのシミュレーション環境を構築できるNVIDIA Omniverseライブラリーや、合成データ生成などに活用できるオープンな世界モデルであるNVIDIA CosmosおよびNVIDIA Physical AI Factory Blueprintを活用することで、フィジカルAIの導入に必要な一連の開発工程を一元的に効率化できる。

 一方で、従来のロボット制御は、対象物の形状や配置があらかじめ決まっていることを前提としているため、それらが作業ごとに変化するひもや布、袋などの柔軟な物体を安定してハンドリングすることは難しい領域の一つとなっている。そこで安川電機は、視覚情報やタスクの指示を基にロボットの動作を生成するVLA(Vision-Language-Action)を活用し、柔軟な物体を正確に認識・把持・操作できる柔軟物体ハンドリングシステムを開発した。

 ソフトバンクと安川電機は、これらの開発支援ツールや柔軟物体ハンドリングシステムの実用化を目指し、フィジカルAIの高度な判断が求められるワイヤーハーネスのハンドリングの実証を行った。

 開発工程のイメージとしては、まず、ロボットを「AIデータセンター GPUクラウド」に接続し、動作データやセンサー情報を収集・蓄積する。これらのデータを基に、NVIDIA Cosmosを活用して合成データを生成する。このようにデータ拡張を行うことで、実機だけでは十分な収集が難しいデータを補足し、AIモデルの学習に活用できる。

 次に、「AIデータセンター GPUクラウド」の計算リソースを利用してAIモデルを学習する。技術者は、このGPUクラウド環境で動作するGUI上で学習状況を確認しながら、収集・拡張したデータを用いてモデルの改善を進められる。学習したモデルは、ロボットの実機に適用する前に、NVIDIA Omniverseライブラリーと統合されたシミュレーター上で評価する。複数のタスクに対する動作を確認することで、学習後のモデルが基本性能を維持しながら対象タスクに適用できるかを検証できる。

 このシミュレーションによる検証後、AIモデルをロボットの実機へ適用する。

 ツールの活用により、フィジカルAIの開発環境の導入や学習サイクルを、「AIデータセンター GPUクラウド」上で効率的に進められる。また、フィジカルAIを現場へ導入しやすくすることで、企業内の複数の業務や拠点で得られる実機データやAIモデルの実行データ、合成データを、各社の管理方針に沿って資産として活用し、他の業務へ展開できるようになる。

 今回の実証では、柔軟な物体をハンドリングするユースケースとして、形状や配置が作業ごとに変化するワイヤーハーネスを箱に収納するタスクにおいて、ソフトバンクのフィジカルAIの開発支援ツールと安川電機の柔軟物体ハンドリングシステムを適用した。これにより、フィジカルAIを迅速に導入できた他、ロボットが視覚情報を基にワイヤーハーネスの状態を認識し、AIがリアルタイムに学習してロボットに的確な指示を出すことで、柔軟物体のハンドリングを安定して行えることを確認した。

 ソフトバンクと安川電機は、今後もフィジカルAIを活用したロボットシステムの開発を推進し、より高度なタスクへの適用を検証していく。また、ソフトバンクは、「AIデータセンター GPUクラウド」を活用したフィジカルAIの検証を拡大し、さまざまなデータを活用したロボット開発の高度化に取り組むとともに、開発基盤の整備を推進していくとしている。

実証の様子
フィジカルAIの学習のイメージ