週刊データセンターWatch:

【データセンター用語集】チラーとは

 水などの液体をパイプで循環させることで、対象となる物体・気体などの温度を制御するための装置。英語表記は「Chiller」で、モノを冷やすという意味の「Chill」から派生した用語とされる。ただし冷却だけでなく、加熱を行う場合でもチラーと呼ばれることが多い。データセンターでは室内空調のほか、近年はサーバーを直接水冷するための設備としても、耳にする機会が増えている。

 チラーは、データセンターだけにとどまらず、あらゆる産業分野で幅広く使われている機械設備である。代表的なのは、ビルや大型ショッピングモールなど一定以上の規模の施設における空調であろう。チラーの本体となる設備は非常に巨大で、熱交換器、圧縮機、膨張弁などから構成される。循環する水をここで冷やし、館内各所のファンコイル(FCU、空調調和機とも)へと送って、快適な温度に調整する。

 データセンターにおけるサーバー室内の空調も、その施設規模の大きさから、チラーによって実現しているケースが多い。データセンターの屋上や隣接地には、多くのチラー設備が並んでいる。

 近年のAIブームにより、サーバーが高性能化し、それに伴って発熱量も大きくなっている。従来は、空調でサーバー室内全体の温度を下げ、直接の発熱体である半導体チップにファンなどで風をあてて冷却していた訳だが、それでは追いつかないことから、水冷が注目されるようになった。このサーバー機器レベルの水冷にも、チラーが用いられる。

 ただ、データセンターの空調で普段から冷水を扱っていたとしても、これを天井や壁の空調機器にではなく、ラック内の各サーバーへ局所的に供給するのは全く意味が違う。細かな配管の取り回し、万一の漏水への備え、水かそれ以外の冷媒を使うべきかなど、考慮すべき点は多い。こうしたことからも、空冷前提で設計されたデータセンターの水冷化は、ハードルが高いと言われるようだ。