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KDDI、SA方式の5Gサービスを法人向けに提供開始

5G SAのネットワークスライシング機能を活用した生中継をABEMAで実施

 KDDI株式会社は21日、スタンドアローン(SA)方式の5Gサービス(以下、5G SA)を、法人向けに提供開始した。

 KDDIではノンスタンドアローン(NSA)方式による5Gサービス (以下、5G NSA) を2020年から提供している。5G NSAではコア設備に4G設備を利用するが、5G SAはコア設備を含めて、5G技術のみで通信を可能とするシステムとなる。

 これにより、高速・大容量通信に加え、ネットワークを仮想的に分割するネットワークスライシングなどの新たな機能が実装可能になり、従来では有線回線が利用されていた産業に5G SAを導入することで、無線化による業務効率化や低コスト化が期待されるとしている。

5G NSAと5G SAの比較

 KDDIでは、株式会社AbemaTVが運営する「ABEMA」と共同で、日本で初めて5G SAを活用した映像生中継の取り組みを、2月21日午後7時から配信予定のHIPHOPチャンネル「ABEMAMIX」の一部で実施する。

 映像中継にあたっては、繁華街など人が集まるエリアにおいても中継用の映像伝送品質を確保する必要があるが、取り組みでは5G SA対応のスマートフォンを用い、ネットワークスライシングにより中継用の通信を論理的に分離することで、他の通信に影響を受けない安定した映像伝送ができるようにする。

 5G SAを用いることで、より簡易なシステム構成で中継が可能となり、中継車やモバイル中継装置など専用機材の置き換えによるコスト削減のほか、少人数のスタッフがスマートフォンなどを活用して迅速に中継するなど、報道機関としての速報性向上が期待されるとしている。

 KDDIでは今後、中継設備の簡素化によるコスト削減のほか、スマートフォンからの多アングル中継など、臨場感のある新たな映像体験の実現を目指すと説明。また、5G SA時代のビジネスユースケースや新たなサービスの創出に向けた取り組みを進めていくとともに、映像中継のDXと新たな映像体験の実現を支援していくとしている。

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