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日立、IT基盤のモダナイズ化を支援する「IT基盤/運用高度化オファリング」を提供

 株式会社日立製作所(以下、日立)は10日、これまでのクラウド関連サービスを、IT基盤のモダナイズを加速する「IT基盤/運用高度化オファリング」として統合・強化し、順次提供開始すると発表した。

 IT基盤/運用高度化オファリングは、日立がこれまで培ってきた、パブリッククラウドと基幹システム双方の構築・運用ノウハウをまとめたベストプラクティスをもとに、IT基盤のモダナイズに関するコンサルティングから設計・構築、運用までをワンストップで提供する。

IT基盤/運用高度化オファリングの提供イメージ

 コンサルタントとエンジニアが、経営戦略・人材・ITの観点で、IT基盤のモダナイズに向けた構想や全体方針、推進計画などのグランドデザインの策定を支援する。また、マルチクラウド環境のIT基盤の包括的なマネージドサービスを提供する新サービス「Cloud and Application Managed Service(以下、CAMS)」により、クラウド移行・再構築やセキュリティ環境を含めた運用の高度化を、段階的なアプローチで推進する。さらに、継続的な運用効率化に向けて、AI・コード化技術を活用した段階的な運用自動化も支援していく。

 CAMSは、IaC(Infrastructure as Code)の仕組みを用いて、ハードウェア、OS、コンテナなどのベストプラクティスな設計をテンプレートとして蓄積することで、運用環境を含めたIT基盤の構築を自動化する。これにより、人為的なミスをなくすとともに、PoCや新しいアプリケーションを開発する環境を、必要なときに早期に立ち上げることを可能にする。

 また、IT基盤やその上で稼働するサービスの状態を、複数のクラウドを横断して統合的に収集し、ダッシュボードでリアルタイムに可視化するオブザーバビリティ対応の監視・運用システムを提供する。このシステムにより、障害などのインシデントを把握し、その事象や対処方法などのノウハウをAI・コード化技術によって蓄積、学習することで、運用作業の自動化を段階的に拡大していく。

 これらにより、IT基盤の構築を迅速化するとともに、インシデント対応やサービス拡大に伴う運用業務の肥大化・属人化を防ぎ、顧客のビジネスアジリティ向上に貢献するとしている。

 また、CAMSのオプションメニューとして、パブリッククラウドを活用したIT基盤の設計プロセスを効率化するフレームワークとして、「クラウドリフト向けサービスプラットフォーム」「クラウドネイティブ向けサービスプラットフォーム」を提供する。

 日立が培ってきたさまざまな業種・業務でのクラウド設計・運用実績の中からベストプラクティスを集約し、データベース・ミドルウェアの設計や、運用・セキュリティなど非機能要件の定義などのノウハウをまとめたもので、信頼性と拡張性を両立するシステムの構築・運用に必要な機能群をまとめた「クラウドリフト向けサービスプラットフォーム」と、クラウドネイティブなサービスの開発・運用に必要な機能群をまとめた「クラウドネイティブ向けサービスプラットフォーム」を用途に応じて選択できる。これらにより、IT基盤の要件定義や基本設計を効率化することで、顧客はアプリケーション開発に注力できるとしている。

 さらに、安全・安心なセキュリティ運用の実現に向け、CAMSのオプションメニューとして、日立のセキュリティ監視センター(SOC)のセキュリティエキスパートにより、セキュリティ運用をサポートする「マネージドセキュリティサービス」を提供する。

 これまでオンプレミスやプライベートクラウド環境を対象として、日立グループ37万人が利用するIT基盤や、大手金融機関、官公庁などの顧客向けに提供していましたが、その実践ノウハウを最大限に活用し、パブリッククラウド(AWS、Microsoft Azure)を対象とするサービスを追加した。これにより、クラウドに精通したセキュリティ人材が不足している顧客でも、安全・安心なマルチクラウド運用を実現できるとしている。

 日立は今後、IT基盤/運用高度化オファリングのインフラを提供するハイブリッドクラウドソリューション「EverFlex from Hitachi」の強化を進め、機密性の高いデータをクラウド上で安全に管理するサービスを拡充するなど、顧客の安心・安全なクラウドジャーニーを実現していくと説明。また、日立ヴァンタラの「Hitachi Application Reliability Center」とノウハウ/技術を共有し、さらなる信頼性とアジリティ(俊敏性)を最適な運用コストで実現するマネージドサービスを提供していくとしている。さらに、GlobalLogicのマイクロサービスを活用したアプリケーション開発の知見を取り込むことで、IT基盤フレームワークを強化し、基幹システムのモダナイズおよびDX推進をさらに支援していくとしている。