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中外製薬と日本IBM、生産オペレーションを支えるデジタル基盤を構築、中外製薬グループの浮間工場で稼働

 中外製薬株式会社と日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は7日、デジタルプラント実現に向け、新しい生産オペレーションを支えるデジタル基盤を構築し、中外製薬のグループ会社である中外製薬工業株式会社の浮間工場で稼働させたと発表した。

 構築したデジタル基盤は、教育系システム、計画系システム、遠隔支援システムの3つのシステムから構成される。これらのシステム群や既存の社内システムはデータ基盤を介して連携し、効率的な生産・要員計画および進捗管理や現場のリモート支援に活用される。

 生産性向上、信頼性向上、働き方の変革を目指した「人に着目したデジタル基盤」の構築を通じ、システム開発にあわせて業務プロセスを変革。デジタル化を通じた新しいオペレーションにより、DI(Data Integrity)対応を含めた医薬品製造に関する規制へのコンプライアンスを高めると同時に、生産計画や業務アサインの全体最適化や見える化が期待される。

 さらに、製造ラインを越えた組織横断的な働き方が可能となることで、個々人の経験やスキル向上などの人材育成にも寄与するとともに、作業の確認や支援がリモートでできるようになることで、場所を選ばない柔軟な働き方を実現するとしている。

新しいオペレーションを支えるデジタル基盤の概要

 日本IBMでは、多様な業種で多くの顧客と培ってきたデジタル変革の実績や知見、スキルを生かして、中外製薬のデジタルプラント実現に向け取り組んでいると説明。デジタル基盤の構築にあたっては、製薬に関わる機能領域全般に対するシステム要件定義から設計開発、導入に加え、デジタル変革後を見据えた新たな業務コンセプトやルールの立案、および工場業務に従事する一人ひとりの意識変革など、包括的かつ先進的なデジタル変革をともに推進しており、世界でも先進的な製薬のデジタルプラントの実現をはじめ、今後もDXのトップランナーである中外製薬のさらなる変革へのチャレンジを共創していくとしている。

 また、デジタルプラント実現の第二段階としては、構築したデジタル基盤の他工場への展開も進め、宇都宮工場では2023年中、藤枝工場では2024年中の稼働を目指すとともに、今後の三工場における展開を踏まえ、デジタル基盤の高度化やさらなる追加施策にも取り組んでいくとしている。