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リコーが「RICOH360」プラットフォーム事業でスパイダープラスと協業、建設業向けソリューションを提供

 株式会社リコーは2日、スパイダープラス株式会社と協業し、リコーの360°カメラプラットフォーム「RICOH360」と、スパイダープラスの建設DXサービス「SPIDERPLUS」を連携させた、建設業向けソリューションの提供を強化すると発表した。

 リコーでは、ワンショットで360°撮影ができるカメラ「RICOH THETA」を2013年に発売して以来、360°画像・映像を活用した事業の幅を広げてきたが、その中でも、建設業向けクラウドサービス「RICOH360 Projects」や、不動産向けクラウドサービス「THETA360.biz」が堅調に伸びているという。

 一方のスパイダープラスは、建設業向けの図面・現場管理アプリである建設DXサービス「SPIDERPLUS」を2011年から提供。図面整理や写真管理、帳票出力など、建設現場におけるデジタルの活用によって手間や段取りを削減し、生産性を向上させるソリューションとして、大手ゼネコン各社をはじめ1200社を超える企業で活用されている。さらに2017年からは、RICOH THETAとの連携機能を搭載し、日本国内の導入企業を中心として、生産性向上に貢献してきたとのこと。

 また建設業においては、2024年4月より施行が予定されている改正働き方改革関連法案の中で、残業時間の上限に罰則規定が設けられるなど、労働生産性を上げることが急務となっている。こうした背景を踏まえ、リコーでは、RICOH360プラットフォーム事業のさらなる拡大を目的に、スパイダープラスとの協業を開始するとした。

 具体的には、RICOH THETAの機能を拡張するための「THETA SDK」に加え、「AI超解像度/AI明るさ補正機能」「AI画像切り出し機能」といった360°画像にかかわる機能をパッケージ化し、RICOH360プラットフォームとしてスパイダープラスへ提供する。

 あわせて、「AI超解像度/AI明るさ補正機能」「AI画像切り出し機能」といったRICOH360プラットフォームをSPIDERPLUSへ実装するための検証を開始。これらの機能連携の実現により、「画像の鮮明度」「360度写真を加工する手間」など、従来の360°カメラの活用におけるSPIDERPLUSの課題を解消するとしている。

 また建設業界で官民一体となって推進されている「BIM(Building Information Modeling)」において、360°画像と組み合わせたサービス提供に向けた検証を開始する。リコーでは、3次元図面(BIM)×2次元写真(一般的な写真)の組み合わせだけでは実現できない、BIMに期待される直感的なインターフェイスなどのBIM本来の機能が、施工管理においても最大限発揮されると考えているとのことだ。