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東芝、外観からはわからない橋梁床版内部の健全度を可視化する技術を開発

車両走行時に発生する微弱な波動を利用

 株式会社東芝は12日、外観からはわからない橋梁床版内部の健全度を解析・可視化する技術を開発し、その効果を、福岡北九州高速道路公社(以下、福岡高速)で実証したと発表した。

 東芝が開発したのは、車両が橋梁を走行する際に路面で発生する微弱な波動を利用し、外観ではわからない橋梁床版内部の健全度を解析して可視化する技術。車両走行の障害とならない床版下面に複数センサーを設置し、それらのセンサーで、路面から床版内部を伝わる波(弾性波)を計測して、独自のセンサーデータ解析技術で床版の健全度を解析することにより、従来の目視点検では確認できなかった内部の損傷を確認できるという。

 また、こうした解析によって計測範囲内の健全度をマップで表示でき、「コンクリート補修時の対象エリアの抽出」や「コンクリート補修効果の可視化」などに活用できるとした。

開発した技術の概要

 なお東芝では、2021年8月・10月および2022年1月に、福岡高速1号線と2号線のコンクリート床版で計測を行い、その効果を実証した。この実証においては、約4メートル×1メートルのエリアに18個のセンサーを設置し、それぞれの実証期間において約2~6時間分のデータを取得している。

福岡高速での実証の概要

 また床版補修前後の計測では、健全度マップの比較により、補修により健全度が回復したことが可視化できたとのことだ。

コンクリート床版の補修効果評価に関する実証結果

 東芝では、今後も福岡高速との実証を進め、事業会社である東芝プラントシステム株式会社とともに、2024年度の道路事業者向けのサービス提供開始を目指す考えである。