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セールスフォース、従業員エンゲージメントを高めるソリューション「Employee Service」を日本で提供開始

Employee Serviceでできること

 株式会社セールスフォース・ジャパンは28日、従業員エンゲージメントと業務生産性を向上させる「Employee Service」を、日本市場で提供開始すると発表した。

 Employee Serviceは、同社のCRMシステム「Salesforce Service Cloud」で長年培ってきた顧客体験の向上を実現する仕組みやノウハウを、従業員向けに提供できるよう再構築されたソリューション。セールスフォース・ジャパン マーケティング本部 プロダクトマネージメント シニアディレクターの山瀬浩明氏によると、すでに同社では長年このソリューションを社内で活用しているという。

セールスフォース・ジャパン マーケティング本部 プロダクトマネージメント シニアディレクター 山瀬浩明氏

 CRM専業ベンダーであるセールスフォースが従業員向けのサービスを提供する理由について、山瀬氏は、「当社には社員を大切にする企業文化があり、働きがいのある会社としてさまざまな機関からトップクラスの評価を得ている。それは、従業員の満足度やエンゲージメントが高まることに比例して、顧客に対するサービス品質も高くなるという考えが根幹にあるためだ」と話す。「当社の従業員満足度の高さは、企業文化によるところが一番ではあるが、システムやサービスの要素も大きい。Salesforceプラットフォーム上に構築した従業員の生産性やエンゲージメント高める社内の仕組みが、今回の新サービスのベースになってる」(山瀬氏)。

 同サービスにて提供される具体的な機能は、入社時のオンボーディングサポートや、職種・役割別のトレーニング、福利厚生や各種申請などの業務支援、IT機器やソフトウェアのトラブルシューティング、従業員アンケート、個人情報管理などだ。単一の画面で、すべての部門が従業員をあらゆる面でサポートできるようになっている。

 「従業員は直感的に使えるインテリジェントなサービスを求めている。わからないことがあれば人はGoogleで検索するが、職場版のGoogleは存在しない。これまでは社内で隣の人に日々の業務について質問したり、福利厚生の内容を確認したりすることもできたが、リモートワークが定着し職場環境が変化した今では簡単に聞くこともできない。そんな時、Employee Serviceは気軽に相談できる先輩社員のような位置づけとなり、検索画面に入力すればすぐに解決策を出してくれたり、担当者につないでくれたりする」と山瀬氏は説明する。

Employee Serviceで従業員をサポート

 なおEmployee Serviceは、米国では2021年3月に、すでにリリースされている。セールスフォース・ジャパン 執行役員 クラウドセールス統括本部 統括本部長の湯浅雅達氏は、「米国では数十社がすでにシステムを導入し、サービスの運用を開始している」と話す。

セールスフォース・ジャパン 執行役員 クラウドセールス統括本部 統括本部長 湯浅雅達氏

 その一例として湯浅氏は米Southwest Airlinesを挙げる。同社では、業務やシステムごとに分散されていた情報をひとつの仕組みに統合して従業員向けサービスを提供し、従業員がナレッジを自ら参照して情報に容易にたどり着けるようにした。これにより問い合わせ件数が減少し、管理部門は難易度の高い対応に集中できるようになったという。また、従業員の声をひとつに集約させ、これまで把握しきれていなかった従業員のニーズや課題も認識、それが新たなナレッジの追加や業務改善につながっているという。

 先行する米国では、業種や規模を問わずさまざまな企業がEmployee Serviceを導入しており、Salesforceの既存顧客のみならず新規顧客にも採用が広がっていると湯浅氏。日本でも一部顧客にすでに案内を始めており、数十社が導入を検討しているという。利用料金は、ユーザーあたり月額1200円からとなる。

 「Employee Serviceは、従業員のエンゲージメントを高めるため、顧客に提供するサービス品質を社内の従業員向けにも展開するというコンセプトで作られている。市場シェアナンバーワンの顧客向けカスタマーサポートの仕組みを提供してる当社だからこそ、従業員にも魅力的なソリューションが提供できる」と湯浅氏は述べた。