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国内企業向けネットワーク機器市場、2021年の市場規模は前年比3.3%増の2808億円~IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は16日、企業向けイーサネットスイッチ、企業向けルーター、企業向け無線LAN機器で構成される、国内企業向けネットワーク機器市場の市場動向と予測を発表した。

 2021年の国内企業向けネットワーク機器市場については、前年のGIGAスクール向け特需の反動で減少が予測される中、前年比成長率3.3%でプラス成長を達成し、市場規模(支出額ベース)は2808億3600万円と推計している。

 今後の国内企業向けネットワーク機器市場については、成熟市場であるとの見方は維持しているものの、ハイブリッドワークスタイルに適応した企業ネットワークの更新や、無線LANの新規導入の可能性を改めて評価し、緩やかな成長を続けると分析。国内企業向けネットワーク機器市場の、2021年~2026年の年間平均成長率は2.4%と予測している。

 製品セグメント別では、企業向け無線LAN機器市場が成長を続け、Future of Connectedness(コネクテッドの未来)を牽引する「ワイヤレス主導」の考え方において、企業で最も普及しているWi-Fi/無線LANが中心的な役割を担い、今後も高い需要が見込まれると分析。同市場の2021年~2026年の年間平均成長率は、出荷台数で4.9%と予測している。

 規格別では、2022年にはIEEE 802.11axがIEEE 802.11acを逆転する見込みとしている。予測期間におけるIEEE 802.11axの中には、国内でも早ければ2022年にも利用可能になるWi-Fi 6Eや、Wi-Fi 7とも目されるIEEE 802.11beも含まれており、市場は早期にWi-Fi 6以降の規格に置き換わると分析している。

 ただし、需要が堅調な国内企業向けネットワーク機器市場だが、半導体の供給不足を中心としたサプライチェーンの問題は、いずれの製品市場にも影響を与え、需要に供給が追い付かない状況が続いていると指摘。IDC Japanのグループディレクターである草野賢一氏は、「現在起こっているサプライチェーンの課題を機に、サプライチェーン全体に渡るリスクマネジメントを、ベンダーは改めて検証し強化すべきである。部材供給パートナーの複線化とそれに合わせた製品ラインアップの再構築や、販売パートナーと連携した製品在庫確保の最適化によって、サプライチェーンに問題が起こっても、市場機会損失を最小化することを引き続き検討していくべきである」と述べている。

国内企業向けネットワーク機器市場支出額予測、2020年~2026年