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2017年の国内企業向けネットワーク機器市場は前年比8.3%増、成熟化が進む中で例外的に成長

 IDC Japan株式会社は4日、企業向けのルータ、イーサネットスイッチ、無線LAN機器から構成される、国内企業向けネットワーク機器市場の2017年実績と予測を発表した。それによると、2017年の同市場は前年比8.3%増のプラス成長を遂げ、市場規模(支出額ベース)は2223億4600万円になったという。

 2017年の国内企業向けネットワーク機器市場は、3分野ともに前年を上回っているとのことで、中でも企業向けイーサネットスイッチ市場は、成熟市場でも例外的に成長する「特異年」だったとのこと。

 これは、データセンター向け市場でパブリッククラウド向けを中心に需要が伸びたこと、企業や大学の既存イーサネットスイッチの更新が進んだことが理由で、2けた成長を記録したという。

 企業向けルータ市場も、企業の拠点に設置されることが多いローエンドルータとSOHOルータは出荷台数が大きく伸長した。IDC Japanは、「クラウド利用の拡大」「多機能かつセキュアなWANサービスに対するニーズの増加」を受け、VPNサービス市場が成長したことが背景にあったと分析している。

 3つ目の企業向け無線LAN市場も、2017年のアクセスポイントの出荷台数、市場規模ともに、2016年を大きく上回ったとのこと。なお、無線LANは企業ネットワークのアクセス領域(エンドデバイスがネットワーク接続するネットワーク領域)において主流技術になっている。

 一方で、今後の国内企業向けネットワーク機器市場では、「ワイヤレスファースト」の動きが本格化し、無線LAN機器市場は成長を続ける見込み。ただし、ルータやスイッチの市場では成熟化が進むと見込んでおり、その結果、市場全体の2017年~2022年の年間平均成長率(CAGR)は、マイナス2.4%と予測された。

 特に企業向けイーサネットスイッチ市場では、無線技術との競合、製品のコモディティ化、ダウンサイジングの進展が成長を抑制すると考えられるとのことで、“ワイヤレスファースト”によって無線技術と競合するL2 Fixed Unmanagedスイッチ市場は、2017年~2022年のCAGRでマイナス9.1%と、大幅な縮小が見込まれている。

国内企業向けネットワーク機器市場 支出額予測、2016年~2022年(出典:IDC Japan)