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国内企業向けネットワーク機器市場、2016年の市場規模は前年比4.6%減の2053億円~IDC Japan調査
2017年6月7日 13:10
IDC Japan株式会社は6日、企業向けルーター、企業向けイーサネットスイッチ、企業向け無線LAN機器からなる国内企業向けネットワーク機器市場について、2016年実績と予測を発表した。
2016年の国内企業向けネットワーク機器市場は、前年のプラス成長から一転して4.6%減のマイナス成長に転じ、市場規模は2053億4900万円となった。2016年は、データセンター向けイーサネットスイッチ需要の拡大や無線LANアクセスポイントの出荷台数増加は見られたものの、全体的には市場の成熟化が改めて浮き彫りになったとしている。
製品分野別でも、いずれも前年の市場規模を下回っており、2016年の前年比成長率は、企業向けイーサネットスイッチ市場がマイナス4.9%、企業向けルーター市場がマイナス3.0%、企業向け無線LAN機器市場がマイナス6.0%となった。
市場の今後については、市場全体の成熟化の進行に伴って大きな成長は見込みにくいものの、安定した市場であるとも言えると説明。国内企業向けネットワーク機器市場全体の2016年~2021年の年間平均成長率はマイナス0.2%で、2021年の市場規模は2036億3800万円と予測している。
製品分野別では、新規導入の余地が残されている企業向け無線LAN機器市場は、年間平均成長率を2.6%と予測。また、企業向けイーサネットスイッチ市場は、データセンター向けイーサネットスイッチ市場という成長領域を内包しつつも、年間平均成長率はマイナス0.2%にとどまるとみている。
ベンダーシェアについては、2016年も3つの製品分野すべてにおいて首位を獲得したシスコシステムズが、45.6%という高いシェアを維持。2位以下については、2015年の混戦状態から、アライドテレシスとヤマハが一歩抜け出しており、2社ともに、従来の主力製品分野が好調であったことに加えて、近年取り組んできた新たなソリューション開発や製品分野の開拓が、成果に結びついてきたことが背景にあると分析している。
IDC Japanコミュニケーションズ グループマネージャーの草野賢一氏は、「成熟化が言われて久しい企業向けネットワーク機器市場において、いずれのベンダーも、プロダクトアウトとマーケットインの適切なバランスを保ったソリューション開発を意識すべきである。こうしたソリューション開発の好例がシスコシステムズ、アライドテレシス、ヤマハのリーダー企業3社の取り組みである。顧客のニーズを取り入れながら、その先の企業ネットワークの在り方も提案するソリューションであることが重要なポイントである」と述べている。