ニュース

IBMがAWSと戦略的協業契約を締結、IBMソフトウェアをAWS上でSaaSとして提供

 米IBMは現地時間5月11日、Amazon Web Services(AWS)と戦略的協業契約(SCA)を締結し、IBMのソフトウェアカタログをAWS上でSaaSとして幅広く提供する予定であると発表した。

 ソフトウェアは、Red Hat OpenShift Service on AWS(ROSA)上に構築され、AWS上でクラウドネイティブとして実行される。これにより、企業は今後、IBMソフトウェアの幅広いカタログを、AWS上のクラウドネイティブサービスとして実行できるようになり、ビジネス価値を提供するための迅速な立ち上げと実行が可能になるとしている。

 提供されるソフトウェアには、IBM API Connect、IBM Db2、IBM Observability by Instana APM、IBM Maximo Application Suite、IBM Security ReaQta、IBM Security Trusteer、IBM Security Verify、IBM Watson Orchestrateが含まれる。その他の機能は、2022年後半に追加予定。

 企業は、AWS MarketplaceでIBM SaaS製品を調達し、AWSサービスに設定、連携を行うことで、インフラストラクチャーの導入、更新、管理を行うことなく、数回のクリックで利用を開始できる。AWS上のIBM SaaS製品は、予測不可能なスループットのニーズを満たすために、高可用性と弾力的なスケーリングをオンデマンドで提供するように設計されており、すぐに使用可能なAWSサービスとの緊密な統合と、API、CloudFormation、およびTerraformの各テンプレートに対応し、エンドツーエンドワークフローの自動化を可能にするとしている。

 これらのSaaS製品の提供は、現在AWS Marketplaceに手動でデプロイできるIBMのポートフォリオや、既にライセンスを所有しているユーザーがソフトウェアを迅速にデプロイできるようにする、Bring Your Own License(BYOL)機能を補完すると説明。これにより、組織は、ビジネスの固有のニーズに最適な方法でソフトウェアを構築して実行するための、包括的なオプションが得られるとしている。

 さらに、1万を超えるAWS認定資格と13のAWSコンピテンシーを持つIBMコンサルティングとIBMセキュリティー・サービスは、IBM Software on AWSを使用して、顧客による最新の安全でインテリジェントなワークフローの構築と導入を支援するとしている。

 また、両社は、顧客がAWS上でIBMのソフトウェアを利用しやすくするために、幅広い分野で共同投資を行うと説明。これには、販売とマーケティングにおける統合されたGo-To-Market活動、チャネル・インセンティブ、開発者のイネーブルメント、石油・ガス、旅行・運輸などの主要な業種のソリューション開発が含まれる。