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日本IBMとレッドハット、安田倉庫の総合物流情報システムモダナイゼーションを「Red Hat OpenShift Service on AWS」の活用で支援

 安田倉庫株式会社と日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)、レッドハット株式会社は13日、安田倉庫の総合物流サービス事業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支える「総合物流情報システム」において、Red Hat OpenShift Service on AWSを活用したハイブリッドクラウド環境でモダナイゼーションが実現されたシステムを、2023年2月に稼働させたと発表した。

 日本IBMが、モダナイゼーションのロードマップ策定から、概念検証(PoC)による実現性の確認、安田倉庫の基幹システムで利用しているIBM iと、レッドハットとAmazon Web Services(AWS)が共同で運営するターンキーアプリケーションプラットフォーム「Red Hat OpenShift Service on AWS」を基盤とするコンテナ技術と、業務を部品化したマイクロサービスを適用した基幹システムのモダナイゼーションを支援した。

 安田倉庫グループは、国内での労働力不足などを背景にしたAI・ロボティクス等新技術の活用促進や、ワークスタイル・ライフスタイルの多様化など、変化の激しい事業環境を踏まえ、顧客のニーズに柔軟に対応することが求められていると説明。「長期ビジョン2030」とそれを実現するための中期経営計画「変わらず、変える。YASDA Next Challenge 2024」を策定し、物流事業において付加価値の高いロジスティクスサービスの提供による取引拡大や物流施設の増強により、事業基盤の強化を図るなど、事業拡大に向けたグループ経営インフラの強化に取り組んでいる。

 今回、Red Hat OpenShift Service on AWS上に稼働した「次世代総合物流情報システム」は、個別の顧客の商品特性や業務特性に対応した機能の提供スピードを向上させる同時に、新しいサービスを実現するための最新技術を活用することで、付加価値の高いサービスを継続的に提供できる。また、基幹システムの段階的なモダナイゼーションの最初のステップとして、インターネットを経由した顧客からの入出庫指示や作業状況などの物流情報をリアルタイムで顧客と共有し、さらに各倉庫現場での作業状況の全社レベルでの可視化や、PC、ハンディターミナル、スマートフォンなどのデバイスの活用により、業務のデジタル化と効率化を実現している。

 さらに、顧客ごとに特性の異なる商品や、入出庫に伴う固有業務への対応を容易にするため、安田倉庫はRed Hat OpenShift Service on AWSを通してマイクロサービスを適用することで、最適化した物流サービスを短期間で提供すると共に、現行システムの課題のひとつであるプログラム資産の肥大化を抑制することを目指している。

 システムでは、部品化したマイクロサービスの実行基盤としてRed Hat OpenShift Service on AWSを採用し、基幹業務に求められる高い可用性と多様な稼働環境の効率的な運用/管理を実現している。また、マイクロサービスが適用された業務ロジックの再利用に加えて、CI/CD環境の整備により、開発、テスト、デプロイの自動化と効率化を行うことで、アプリケーション開発プロセス全体のスピード向上を実現している。

 今後は、IBM i上で稼働している業務の中で、ビジネス環境の変化に追随する必要性の高い業務領域を、段階的にRed Hat OpenShift Service on AWS上に移行していくことで、プラットフォームの管理・サポート・更新をレッドハットとAWS双方のエキスパートが一貫して行うとともに、新しい技術を積極的に採用して活用することで、サービスの高度化を図っていく予定としている。