ニュース

IBM、AWSとの関係を拡大し、重要なユースケース向けに生成AI機能をアップグレードした共同ソリューションを提供

 米IBMは現地時間10月18日、多くの顧客企業が生成AIを運用し、その価値を引き出せるよう、Amazon Web Services(AWS)との関係を拡大すると発表した。この一環として、IBM Consultingは、2024年末までに1万人のコンサルタントを育成することで、AWSにおける生成AIの専門知識を深め、拡大することを目指す。また、IBMとAWSは、重要なユースケース全体で企業を支援するように設計された生成AI機能でアップグレードされた、共同ソリューションとサービスを提供する予定としている。

 IBMConsultingとAWSは、これまで、さまざまな業種の企業に、幅広いAIソリューションとサービスを提供してきたと説明。両社は、企業がAWS上に構築されたビジネスやIT運営にAIを迅速に統合できるように設計された生成AIの力で、これらのソリューションやサービスを強化していくとしている。

 具体的には、IBM ConsultingとAWSが、「Amazon Connectによるコンタクトセンターのモダナイゼーション」「AWS上のプラットフォームサービス」「Supply Chain Ensemble on AWS」の各ソリューションの提供開始を予定する。

 Amazon Connectによるコンタクトセンターのモダナイゼーションは、IBM ConsultingがAWSと協力し、生成AIを使用して音声およびデジタル対話の要約および分類機能を構築する。チャットボットとオペレーター間の転送を可能にし、オペレーターの解決時間を短縮するとともに、品質管理を改善するために、詳細情報の要約を提供するように設計する。

 AWS上のプラットフォームサービスは、 2022年11月に導入された同サービスを、IT運用、自動化、プラットフォームエンジニアリングを含むクラウドバリューチェーン全体を円滑に管理するために、生成AIによりアップグレードする。企業は、新たな生成AI機能により、インテリジェントな問題解決と可観測性技術を通じて、AWS上でホストされているアプリケーションのビジネス・サービス性と可用性を強化するツールを利用できる。

 Supply Chain Ensemble on AWSは、顧客の期待に応え、在庫の最適化、コストの削減、ロジスティクスの合理化を行い、サプライチェーンのリスクを評価することを目指すサプライチェーンの専門家の作業を加速し、補強するための仮想アシスタント導入を行う。

 さらに、IBM Consultingは、AWS上でのモダナイゼーションを検討している企業向けに、AWSの生成AIサービスを、独自のIBM Consulting Cloud Acceleratorに統合し、リバースエンジニアリング、コード生成、コード変換を含むクラウド変革プロセスの加速を支援していく。

 また、IBMは、生成AIに特化した専門知識を持つIBM ConsultingのCenter of Excellence for Generative AIのコンサルタントに、両社の顧客企業がアクセスできるサービスを提供する。

 IBM Consultingは、2024年末までにAWS生成AIサービスに関する1万人のコンサルタントのトレーニングとスキルアップを予定。コンサルタントは、AWS生成AIサービスを利用した企業のエンゲージメントのため、トップユースケースとベストプラクティスに関するトレーニングを提供し、パートナー限定の独占プログラムにアクセスできる。これにより、コンサルタントは知識を深め、技術専門家と連携し、AWSでイノベーションを起こす企業により良いサービスを提供できるようになるという。

 また、IBMは、オープンレイクハウスアーキテクチャ上に構築されたデータストア「watsonx.data」を、AWS上でフルマネージドSaaSソリューションとして提供することで、AWS上での生成AI機能に対する企業の需要に対応する。さらに2024年までに、「watsonx.ai」と「watsonx.governance」をAWS上で利用可能にする計画。これは、企業がAWS上でIBMのデータ、AI、セキュリティーソフトウェアをより簡単に利用できるようにするために、両社が過去に行った取り組みと成果に基づいているとしている。