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日本テラデータ、分散した顧客情報を“ひとりの”顧客情報に統合する「Connected Identity」

 日本テラデータ株式会社は29日、散在するデータを統合管理するマスターデータ管理ソリューション「Teradata Master Data Management(MDM)」に追加することで、顧客情報統合の機能を機敏に実行可能にするソフトウェア「Connected Identity」を、国内で提供開始したと発表した。

 現在では、ひとりが複数のデバイスを使用し、多様なサービスを利用するのが当たり前になっているが、企業が利用しているカスタマーデータプラットフォームの多くは、デバイスやユーザー名など、個人を特定しないIDで管理されているという。しかしこうした環境では、“ひとりの顧客”が複数の別々の個人に見えてしまうため、セグメントはゆがみ、パーソナライズされたメッセージは一貫性を欠くものになってしまうとのこと。

 また、多くのカスタマーデータプラットフォームは、テーブル定義などのデータモデルが提供されていないことも大きな課題で、データモデルが提供されていないことから、集められたデータをどのように格納し管理すればよいのかが、利用企業側にすべて委ねられてしまっているのが現状だ。

 今回発表された「Connected Identity」は、こうした課題に対応するために提供される製品で、企業が保有する多様な顧客情報を“ひとりの顧客情報”に統合できるように支援する。あわせて、テラデータがDWH(データウェアハウス)ベンダーとしての経験をもとに想定した、顧客情報を網羅したデータモデルを提供するため、ビジネスのあらゆる場面で、データ活用への最短距離を提供できるとした。なお、このデータモデルは柔軟性を備えており、企業独自の変更や追加を行うことも可能としている。

 加えて、Webログをはじめとするデータの収集は、APIを利用したデータ連携によって迅速に行え、収集されたデータからデータモデルまでのパイプラインを形成可能。パイプラインをノーコード、ローコードで作成可能なGUIも提供される。こうして作成されたパイプラインはプロジェクトとして管理でき、データ処理の透明性を確保しているほか、データ処理の追加・修正などをプロジェクト単位で管理することにより、デグレーションなど不慮の事故を防止するという。

 さらに、メールアドレスのドメイン部分から所属組織を追加するなど、「Teradata MDM」の機能であるリファレンスデータの参照機能を利用すれば、個人属性から新たな属性を導き出して統合できるとのことだ。