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パナソニック、エリア内の人数・混雑度を計測する「混雑状況可視化アプリケーション」

画像センシングSaaSアプリケーション群を順次提供

 パナソニック システムソリューションズ ジャパン株式会社は14日、画像解析を中心としたセンシング技術を軸に、現場を可視化し、顧客やパートナー企業と共に現場のプロセス改革を推進するSaaSアプリケーション群「現場センシングSaaS」を発表した。第1弾として「混雑状況可視化アプリケーション」を3月31日から提供開始する。

 パナソニックでは約40年間、空港や鉄道、道路などに代表される公共システムや社会インフラなどに対して、画像センシング技術を活用したソリューションを提供してきた。今回は、さまざまな現場でノウハウを培ってきた画像センシング技術を、より手軽に導入しやすく、システムやサービスとの連携が容易なSaaSアプリケーション「現場センシングSaaS」として体系化し、順次提供を開始する。

 まずは、新型コロナウイルスの感染拡大で需要の多い「混雑状況可視化アプリケーション」を製品化した。カメラの画像を解析し、エリア内の人数・混雑度をリアルタイムで計測できるほか、計測結果をWebダッシュボードで分かりやすく表示したり、Web APIで利用企業のシステムと連携したりすることが可能だ。表示する間隔も1時間単位から1分単位まで選択でき、エリア設定機能によって特定のエリアにおける混雑状況の把握にも対応している(最大5カ所)。

 特徴は、人の重なりに強いパナソニックの独自エンジン「人密集度可視化」技術を搭載している点。従来は人の全身をカメラ画像から検出することで「人」を認識し、人数カウントや行動解析を行ってきたが、人が重なり合っている状況では検出に限界があった。これに対して同アプリでは、人の頭部検出を行う独自のエンジンにより、屋外かつ人が密集している状況においても、人数や密集度などの混雑状況を計測できるとした。さらに、現場画像を活用した独自の学習やアルゴリズムで外乱に強いセンシングを実現しており、1000人を超える群衆においても計測を行える。

 さらに、汎用ネットワークカメラのカメラ画像を活用できるため、センシング用に特殊なカメラ屋センサーなどの端末を設置する必要はなく、すでに現場にネットワークカメラとインターネット回線がある場合は、新たな端末の購入・設置、インフラ整備などの初期コストは不要で、すぐに利用可能とのこと。

 コスト面では、カメラ台数やサービス利用期間に応じた導入しやすい料金体系となっており、イベントなど期間を限定した利用にも柔軟に対応できるとしている。