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ヤマハ、遠隔会議用音響製品「ADECIA」で無線マイクソリューションを提供

会議室のレイアウトや参加人数が変動する環境で効果的に利用可能

ADECIAワイヤレスソリューション(画像中央)

 ヤマハ株式会社は8日、遠隔会議用サウンドソリューション「ADECIA」に、ワイヤレスマイクロフォンシステム「RM-Wシリーズ」を追加し、「ADECIAワイヤレスソリューション」として提供すると発表した。4月の販売開始を予定している。

 「ADECIA」は、ヤマハが長年培ってきた、音を原点とする音声処理技術とネットワーク市場での経験を生かして開発された、遠隔会議用のサウンドソリューション。

 新開発したシーリングアレイマイク「RM-CG」を中核に、会議室の柔軟なレイアウト変更や会議参加人数を考慮した効率的な会議運用を実現する「ADECIAシーリングソリューション」、コンパクトかつ、より多人数の会議参加者に対応可能な有線方式のテーブルトップアレイマイク「RM-TT」を利用した「ADECIAテーブルトップソリューション」など、用途にあわせたソリューションを提供している。

 今回発表した「ADECIAワイヤレスソリューション」では、従来と同様、PoE給電対応のネットワークスイッチ「SWRシリーズ」や遠隔会議用プロセッサ「RM-CR」といった機器と、新たに提供するワイヤレスマイクシステムのRM-Wシリーズを組み合わせ、今後さらに多様化する会議シチュエーションへ対応するという。

 そのRM-Wでは、無線局の免許が不要な1.9GHzのDECT無線方式を使用したDECT方式を採用し、ワイヤレス伝送を暗号化して情報漏えい対策を行うなど、セキュリティ面の安全性を高めた点が特徴。また、無指向性および単一指向性の異なる2種類の指向性を持つバウンダリーマイクと、長短2種類のグースネックマイクの計4モデルをラインアップし、会議形態にあわせた運用をサポートする。

 なお、ADECIAワイヤレスソリューションでは、最大16本のマイクを同時使用可能。各マイクのペアリングは、8chワイヤレスアクセスポイント「RM-WAP-8」とマイク充電ステーション「RM-WCH-8」にペアリングしたいマイクを載せてACTIVATEボタンを押すだけの簡単操作で行える。

 さらに、Web UIによる現場の電波環境のモニタリングに対応し、安定的に使用可能なマイクの本数を表示できるので、現場環境に合わせて混信や音切れが発生しにくい設定も行えるとした。

 加えて、「ADECIA」の特長の1つである、RM-CRを組み合わせた簡単自動設定・自動音響調整機能を使用することにより、会議様式に合ったマイクを選びつつ、設置・調整に必要とされてきた音響に関する知識や経験が少ない場合でも、「調整時間」の最短化を実現するとしている。

 ヤマハでは、会議室のレイアウトや参加人数が変動する環境において、ワイヤレスマイクがケーブル配線のわずらわしさから担当者を解放するとアピールした。

 価格(以下、すべて税込)は、指向性タイプのマイク「RM-WDR」、無指向性タイプのマイク「RM-WOM」ともに各8万8000円。グースネックタイプのマイクは、30cmの「RM-WGL」、15cmの「RM-WGS」ともに各9万3500円。

 8chワイヤレスアクセスポイントのRM-WAP-8が41万8000円、マイク充電ステーションのRM-WCH-8が16万5000円となっている。

 また今回は、シーリングマイクのRM-CGがアップデートされ、複数人の同時発話を追尾する「マルチビームフォーミング機能」において、専用プロセッサのRM-CR 1台に対するRM-CGの接続台数を拡張し、4台まで対応可能になった。テーブルトップマイクのRM-TTのアップデートでは、RM-CR以外のプロセッサを利用する場合でも、RM-TTに搭載したDSPの設定変更が可能となっている。